2015 Fiscal Year Research-status Report
クロトー遺伝子が皮下脂肪織および皮膚創傷治癒に及ぼす影響について
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25861692
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
山内 誠 札幌医科大学, 医学部, 助教 (90438060)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 老化 / 病理学 / 免疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年まで皮下脂肪織の薄様化の原因究明のため、α-Klotho欠損マウスと野生型マウスにおけるアディポネクチン遺伝子発現について検討を積み重ねてきたが、有意差を見いだせなかった。そのため、創傷治癒遅延の原因の検討へ重点を置くことにした。α-Klotho欠損マウスの創傷部では、炎症性サイトカインであるIL-1β、TNF-α、IL-6発現が増強しており、高濃度のTNF-αは創傷治癒を遷延させるため、脾細胞に対するLPS 誘導性TNF-α産生について検討した。α-Klotho欠損マウスでは、分泌型α-Klotho蛋白が欠損しているため、血中FGF23濃度が上昇しているされている。他実験にて、野生型マウスの脾臓から、マクロファージや好中球を含む脾細胞を分離し、その脾細胞にLPS、分泌型α-klotho蛋白、FGF23を投与し、12時間後に培養上清中のTNF-α濃度をELISAにて測定した。結果は、LPSと分泌型α-Klotho蛋白の投与ではTNF-α産生に有意差を認めず、LPSとFGF23を投与したものではFGF23投与によりTNF-α産生は有意に増強していた。 引き続き、FGF23が、TNF-αの分泌を促進するには、膜型と同様に分泌型α-klotho蛋白がco-receptorとして機能する必要がある可能性について検討した。FGF23の投与量を一定にし、分泌型α-Klotho蛋白の投与濃度を変更して投与したが、FGF23単独投与の結果と分泌型α-Klotho蛋白添加による結果は有意差を認めなかった。 以上より、分泌型α-Klotho蛋白単独投与ではTNF-α産生は抑制されず、FGF23単独投与によりTNF-α産生は有意に増強しました。これは、分泌型α-Klotho蛋白の有無により影響を受けなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
皮下脂肪織の薄様化の原因究明のため、α-Klotho欠損マウスと野生型マウスにおけるアディポネクチン遺伝子発現について検討を積み重ねてきたが、有意差を見いだせなかった。そのため、創傷治癒遅延の原因の検討へ重点を置くことに方向転換をしたため。
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Strategy for Future Research Activity |
創傷治癒遅延の検討のため、野生型マウスに対し、LPSを腹腔内投与により、実際に創傷治癒が遷延するか検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究内容の重点を方向転換をしたことと、臨床業務の多忙により、研究が予定通りに進行しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究に必要な試薬や器械を購入する予定である。
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