2015 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌の癌微小環境における時計遺伝子DECの分子機構
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25861767
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
古舘 健 弘前大学, 医学部附属病院, 医員 (50638898)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 時計遺伝子 / 歯肉線維芽細胞 / 口腔癌細胞 / 共培養 / 概日リズム / 癌微小環境 / 癌関連線維芽細胞 / 時計遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
時計遺伝子の発現を線維芽細胞と癌細胞を共培養の影響を評価した。線維芽細胞と口腔癌細胞を培養した。健康な歯肉組織をもつ患者からヒト歯肉線維芽細胞(Fibroblasts)は採取された。またヒト口腔扁平上皮癌(Ca9-22)はJCRB細胞バンクから入手した。FibroblastsとCa9-22の共培養は、半透膜のフィルターで細胞間の物質伝達が可能なディッシュを用いた。血清ショックで概日リズムを同期させた。血清ショックは、50%馬血清で行った。4時間毎に48時間まで細胞を採取した。RNAを抽出し、定量リアルタイムPCRで時計遺伝子を解析した。共培養されたヒト口腔癌細胞は、ヒト線維芽細胞の時計遺伝子の発現を変化させた。Ca9-22の非存在下で、Fibroblastsの時計遺伝子はリズミカルな振幅を認めた。ヒト線維芽細胞の共培養によって、ヒト口腔癌細胞の時計遺伝子発現は、影響を受けた。ヒト線維芽細胞とヒト口腔癌細胞の共培養による影響は大きく次の3つに分類された。1つ目は、リズミカルな振幅が、共培養によって変化する時計遺伝子群である。2つ目は、共培養によって、リズミカルに振幅する時計遺伝子群である。3つ目は、共培養によって、リズミカルな発現が消失する時計遺伝子群である。留意すべきは、今回の研究で用いた共培養のシステムはFibroblastsとCa9-22が直接接触していないということである。それゆえに、一方の細胞から分泌されたある液性因子が、もう一方の細胞の時計遺伝子の概日リズム発現に影響を与えている可能性がある。結論として、FibroblastsとCa9-22を共培養すると、個々の遺伝子特異的に時計遺伝子の概日リズム発現は変化することが明らかになった。今回の結果は、口腔癌の時計遺伝子の概日リズム発現が癌微小環境の相互作用において重要な役割を果たすことを示した。
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