2013 Fiscal Year Research-status Report
インプラント応用した顎義歯による咬合回復が身体機能とQOLに及ぼす影響
Project/Area Number |
25861828
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
乙丸 貴史 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助教 (30549928)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 顎義歯 / インプラント / 身体機能 / QOL / 食品アンケート / 咬合回復 |
Research Abstract |
日常生活で必要とされる身体機能は,多様な姿勢反射と種々の筋の働きによって保たれているが,近年この制御に咬合が影響を及ぼすと考えられている.顎義歯装着患者は,腫瘍切除による顎骨欠損に加え,身体の一部を血管柄付骨皮弁として切除部の再建に用いていることがある.顎骨再建によるドナーサイトの骨や筋の喪失や顎義歯装着による咬合回復が身体機能に及ぼす影響について報告はされていない.またインプラント応用した顎義歯を装着する場合,より安定した顎義歯が身体機能に及ぼす影響や再建皮弁の減量手術,インプラント埋入後の治癒期間がQOLに及ぼす影響についての報告はない. そこで本研究では,頭頸部腫瘍切除後の顎義歯装着患者を被験者とし,インプラント応用した顎義歯装着患者群とインプラントを用いない顎義歯装着患者群に分け,咀嚼機能検査結果,顎運動や重心動揺などの身体機能,食品アンケートやQOL アンケート結果を評価項目とし,群間比較および重回帰分析を行い,顎義歯装着患者の重心動揺について明らかにするとともに,インプラント応用した顎義歯による咬合回復が顎運動や重心動揺などの身体機能やQOL に及ぼす影響について明らかにし,咀嚼機能に影響する因子やより低侵襲な外科的再建方法について検討するとともに,顎義歯にインプラントを応用することの効果や危険性について明らかにすることを目的とする. これまでに,インプラント埋入予定患者の術前データを2症例収集.平成26年度に上部構造装着予定.そのほかに,インプラントを用いない顎義歯装着患者について,咀嚼機能検査,重心動揺検査,食品アンケート,QOLアンケートを実施し,その一部を学会発表し,その内容で論文投稿準備中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の計画では,インプラント応用した顎義歯装着患者の咀嚼検査,身体機能検査の実施,データ収集およびインプラントを用いない顎義歯装着患者の咀嚼検査,身体機能検査の実施,データ収集であり,インプラントを用いない顎義歯装着患者については,咀嚼機能検査,食品アンケート,QOLアンケートについては,70名のデータを収集した.身体検査機能については,10名のデータを収集した. またそれらのデータを元に,27年度に計画している重回帰分析の準備を進められていることから,おおむね順調に進展していると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,インプラント応用予定の患者について,応用前後でデータ収集が行えるように研究を遂行する.また身体機能検査については,顎運動と重心動揺の関連性についてより一層の検討を行う予定である. すでにインプラント応用されている患者がリコールなどで来院した場合,咀嚼機能やQOLアンケートについても研究協力していただく予定である.
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