2014 Fiscal Year Research-status Report
癌抑制遺伝子型microRNAの機能的スクリーニングと核酸医薬への応用
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25861918
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
上杉 篤史 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (20637061)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 口腔がん / microRNA / 核酸医薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ゲノム情報発現系の内在性制御分子であるmicroRNA (miRNA)に着目し、癌抑制遺伝子型miRNAの「合成二本鎖miRNA (ds-miRNA)」を用いた「miRNA補充療法(miRNA replacement therapy)」の確立に資するべく、独自の機能的スクリーニングによる癌抑制遺伝子型miRNAの同定とその詳細な分子機序の解明を試みるとともに、癌治療体系における新規RNA創薬、新規ドラッグデリバリーシステム(DDS)、さらには癌個別化医療の実現へ貢献することを目指すことを目的とする。 初年度は合成ds-miRNAライブラリーの機能的スクリーニングを行った。327種類のmiRNA配列を持つ市販の合成ds-miRNAライブラリー (Pre-miR™ miRNA Precursor Library - Human V2, Ambion社)を複数の口腔扁平上皮癌細胞株とヒト正常口腔粘膜上皮由来不死化細胞株RT7へLipofectamine RNAiMAX (Invitrogen社)を用いて遺伝子導入後、各癌細胞株におけるin vitro細胞増殖能をMTT法で数値化して比較・検討した。その結果、細胞増殖抑制活性を各細胞株で共通して認め、且つヒト正常口腔粘膜上皮由来不死化細胞株RT7では細胞増殖抑制活性を認めないmiRNAを候補として数種選出した。 平成26年度は選出した候補miRNAの標的遺伝子の同定と分子機序の総合的解析を行っている。選出した癌抑制遺伝子型miRNAに対する標的分子に関しては、Webで公開されている公的予測データベースの検索にて標的分子の候補を選出中である。特異抗体が市販されている候補のみをds-miRNA導入前後の細胞株におけるWestern-blot解析ならびにルシフェラーゼ・レポーター解析などによって検討し、同定を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
合成 ds-miRNAライブラリーの機能的スクリーニングにより選出した候補miRNAの標的遺伝子の同定と分子機序の総合的解析を行っている。選出した癌抑制遺伝子型miRNAに対する標的分子に関しては、Webで公開されている公的予測データベースの検索にて標的分子の候補を選出中である。特異抗体が市販されている候補のみをds-miRNA導入前後の細胞株におけるWestern-blot解析ならびにルシフェラーゼ・レポーター解析などによって検討し、同定を試みている。
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Strategy for Future Research Activity |
in vivo治療実験: 上記の機能的スクリーニングを起点とした統合的解析により同定された癌抑制遺伝子型miRNAのds-miRNAならびに標的分子に対するsiRNAについて、それらの核酸医薬としての有効性を検討すべく、癌細胞株を皮下移植した重度複合免疫不全マウスにおけるin vivo治療実験を試みる。本研究では臨床応用を視野に入れ、ウイルス・ベクターやその安定発現株などは用いず、本研究の機能的スクリーニングで同定されたds-miRNAあるいは標的分子のsiRNAのみを用いる。なお、ds-miRNAのin vivo導入法については、アテロコラーゲン、ナノゲル等の利用を考えている。
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Causes of Carryover |
事務手続きの関係上、次年度の使用額として計上することとなったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
事務手続き上のことであり、次年度の消耗品費として計上する。
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