2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25861924
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
丸川 浩平 山梨大学, 総合研究部, 講師 (50444203)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 顎顔面外科 / 顎顔面骨 / 顎変形症 / 顎矯正手術 / 力学刺激 / 骨再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度は低出力超音波パルス(LIPUS)の顎顔面骨における骨再生の促進作用ならびに、他の骨再生を促進させる方法(生体材料:スタチンの使用)とLIPUSを併用した場合の効果を検証するために実験を行い、その結果、LIPUSは顎顔面骨においてスタチン(有意に骨再生を促進することが、過去のわれわれの研究より明らかである)と同程度に欠損部骨組織の再生を促すことが示唆され、本研究の主題である顎変形症術後のLIPUS照射による治癒促進に期待を持てる結果が得られた。但し併用による相乗効果は明らかではなかった。また顎変形症手術において使用するチタン製あるいはポリL乳酸製(吸収性)のプレートならびにスクリューが骨再生に寄与するか、またはその差異について動物実験を行い検証した結果、両者はともに骨の新たな形成を促進させるが、両者間に有意差はなかった。このことから、本研究の計画にあるように双方の材料を用いたおのおのにLIPUS照射を行った場合、骨再生上の差異はないであろうことが示唆された。 本研究計画では顎変形症手術後の顎関節におけるリモデリングや軟骨再生におけるLIPUSの効果を検討する予定であるが、このことに関連して、特に今年度は機械的に損傷させた顎関節におけるLIPUSによる軟骨修復促進効果を実験的に検討した。その結果、特に損傷後早期においてLIPUSは有意に軟骨修復を促進させることが示唆された。 以上より、骨組織、軟骨組織ともに手術的な損傷後の修復・再生過程におけるLIPUSの有用性が示唆され、このことは顎変形症骨切り手術後においても当てはまるものと推察された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画にある骨芽細胞の培養、その他in vitroの基礎的実験については、実験設備の不備や人材の不足、実験上のエラーに伴う方法の見直し等により、当初の計画通りには進行できていないため、研究実績の概要にあるように動物を用いたin vivoの実験を先行して行っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
実験設備や方法、実験スケジュール等の随時見直しにより、実験を計画に沿ってスムーズかつ迅速に行うことができるよう環境を整えつつ、強力に推進していきたいと考えている。
|