2014 Fiscal Year Research-status Report
口腔粘膜違和感に対する口腔擦過細胞診を応用した細胞学評価法分類の確立
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25862086
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
遠藤 眞美 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (70419761)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 口腔内違和感 / 口腔乾燥 / 服用薬 / 服用期間 / 口腔粘膜 / 歯学 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年の研究から口腔内違和感には,多要因が複雑に絡み合っていることが示唆され,その中でも口腔環境のひとつである口腔乾燥に関連があることがわかった。そこで、本年は口腔粘膜違和感に対する細胞学的評価法を確立するために,口腔乾燥に焦点をあて,一般に口腔乾燥の原因として指摘されている服用薬剤の種類や服用期間に関するリスクを検討した。 対象は,本研究に本人または代諾人が同意をした104人の要介護高齢者とした。方法は,対象者の属性,全身疾患,服用薬剤名およびその服用期間を施設保管の個人記録から抽出と口腔内診査をした。口腔乾燥のアウトカムを舌背粘膜上の唾液湿潤度10秒値(3㎜未満を口腔乾燥群)とし,多重ロジスティック回帰分析を行った。 口腔乾燥が54%に認められた。抗血小板薬([OR]=10.018, [CI]=1.103-71.518), 利尿剤 (OR=5.436, CI=1.082-27.309) ,降圧剤 (OR=0.121, CI=0.220-0.672)が有意に口腔乾燥に影響をしていた。一般に降圧剤は唾液の分泌を減少させて口腔乾燥の原因といわれるが,本結果は異なっていた。本研究は,唾液分泌量を検討したのではなく,口腔乾燥のアウトカムを粘膜上の湿潤度としたために異なる結果となったのではないかと考えた。口腔内違和感は,唾液の分泌異常よりも粘膜上の保湿状況が影響すると思われ,今後は詳細な検討が必要といるが細胞学的に検討時には,服用薬も含めて評価をする必要性を知れた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度の研究から口腔内違和感のリスク因子が多岐にわたることがわかり,各リスクについて詳細な検討を行っているために細胞学的検討が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,口腔内違和感に対する口腔擦過細胞診を応用した細胞学的検討を行う。
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Causes of Carryover |
本年はリスク因子の検討などをアンケートや観察研究で実施し、その成果発表を行いながら研究内容などを再度、検討したために細胞学的検討が遅れてしまった。現在、来年度以降に予定していた細胞学的検討を行う予定である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
細胞学的検討を行うためのサイトブラシ、スライドガラス、カバーガラスの購入,写真現像代などとして使用する。
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