2014 Fiscal Year Annual Research Report
放射線療法を受ける乳がん患者のセルフケア行動を促進するケアプログラムの開発
Project/Area Number |
25862174
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Research Institution | Kansai University of Social Welfare |
Principal Investigator |
堀 理江 関西福祉大学, 看護学部, 講師 (20550411)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | がん看護 / 放射線療法 / 乳がん / セルフケア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、放射線療法を受ける乳がん患者の有害事象と日常生活への影響を明らかにし、セルフケア行動を促進するためのケアプログラムを開発することである。 平成25年度は、放射線療法中の患者10名に、半構成的面接、質問紙への回答を3時点で依頼し、セルフチェックノートへの記載を毎日依頼した。平成26年度は、その結果をまとめ、分析した。Cancer Fatigue Scaleでは、総合的な平均得点は,開始時(T1)15.1点,2週間後(T2)17.4点,終了時(T3)15.3点と2週間後が最も高かった。MD Anderson Symptom Inventory-Japaneseの変化は、痛み・眠気などの症状の平均値は、T1:1.5点、T2:2.0点、T3:1.8点、日常生活への支障の平均値は、T1:1.7点、T2:1.3点、T3:1.2点と治療経過とともに低下していた。The Center for Epidemiologic Studies Depression Scaleの変化は、T2:10.3点,T3:7.4点と、いずれも抑うつの臨床的な判断を必要とする16点を超えていなかった。セルフチェックノートの内容は、放射線療法の経過やそれに対する自分の気持ち、日々の出来事に関すること、放射線療法以外の治療に関すること、がんの治療をつうじて知り合った方との交流に関することであった。気分転換活動としては、ストレッチ,ランニング、散歩などがあった。 これらのことより、放射線療法中の乳がん患者は、治療による日常生活への影響はほとんどなく、抑うつ症状が出ている患者は1名であった。しかし、セルフチェックノートからは、放射線治療の経過と合わせながら、自分自身を鼓舞している様子が浮かび上がった。このことより、患者が日々の行事や生活を行えるよう、前向きな気持ちを維持するための看護支援が必要であることが示唆された。
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Research Products
(2 results)