2014 Fiscal Year Research-status Report
ツインリサーチに参加する双生児およびその家族のゲノムリテラシー
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25862257
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
林 知里 大阪市立大学, 看護学研究科, 准教授 (50454666)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 双生児 / ゲノムリテラシー / 遺伝 |
Outline of Annual Research Achievements |
双生児とその家族を対象にインタビューを実施し、逐語録に起こしてデータとした。分析にはRMeCabパッケージを統計ソフトR上にて用い、形態素解析を行なった。N-gramをとった頻度データを抽出や単語の結びつきの強さに着目するコロケーションなどのテキストマイニングを行なった。その結果を、国際双生児研究学会(ハンガリー、ブダペスト)で発表した。
遺伝については、「個人的体験」を「個人的解釈」に基づいて「個人的に意味づけ」をするといった【遺伝を個人的次元で捉える】側面が強いことが明らかとなった。さらに、遺伝に対する認識は、ある出来事に対する個別の「個人的次元」の解釈に留まっており、家族性や地域性など「集団的次元」では捉えられていなかった。同じ出来事に対しても、家族や本人の捉え方が異なっており「共通認識がない」状態であった。その理由としては、家族や他の人と【遺伝について話す経験が乏しい】ことが挙げられた。今後、さらにインタビューを進め、〈個人的次元〉から家族性や地域性などの〈集団的次元〉へと広げて捉える過程、また、「個人的体験」を自身および家族の疾病予防や健康増進に活かしていくために必要な支援について明らかにしていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
統計ソフトRを用いたテキストマイニングにより、大量のコーパス情報を短時間で分析することが可能になり、 分析処理速度が速まった。日本語は英語などの言語とは異なるため、コーパス分析には注意が必要であるが、日本語形態素分析RMeCabを使用することで、日本語の特徴を活かした分析が可能となった。グラウンテッドセオリーアプローチなどに代表される質的研究とあわせて、テイストマイニングでの分析を使用することで、想定していた結果以上のものが得られる可能性が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
さらに、インタビューデータを蓄積し、言語コーパスを充実させていく。また、インタビューデータ以外の言語コーパスへも分析対象を広げていく方法について模索していきたい。ツインリサーチに参加する双生児およびその家族においても、ゲノムリテラシーが必ずしも高いわけではないが、ある種の遺伝観についての語りが認められ、今後分析を深めていきたい。
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Causes of Carryover |
一度に大量のコーパス言語分析が短時間で可能となる日本語形態素分析パッケージおよび統計ソフトRが無料でダウンロードできたことにより、人件費が次年度に繰り越された。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
成果をまとめるにあたって、また、アンケート調査の実施にあたって、研究補助員を雇用予定である。
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Research Products
(5 results)