2014 Fiscal Year Research-status Report
システムセルフリカバリー機能を有する不揮発FPGAアーキテクチャの構築
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25870067
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 大輔 東北大学, 国際集積エレクトロニクス研究開発センター, 助教 (00574675)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | FPGA / MTJ素子 / 高信頼 / 計算機アーキテクチャ / ロジックインメモリ回路 / VLSI / スピントロニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はセルフリカバリー機能を有する不揮発FPGA実現のため,以下の3つの成果を上げた。
まず、昨年度に考案したMTJ素子用書込み回路の不揮発フリップフロップへの応用を行った。不揮発フリップフロップはFPGAにおける演算データを記憶する回路であり、MTJ素子にその記憶状態がバックアップされる。したがって電源障害に対するロバスト性を実現するには、確実なMTJ素子への書込みが必要となる。今回考案した回路は、上記を実現するのみならず、MTJ素子書込みに伴う消費電力の最小化を回路性能オーバヘッド無くできるという意味で非常に効果的である。本成果は2014年11月の59thMMMで発表されるとともにJournal of Applied Physicsにも掲載された。 次に、少ない面積オーバヘッドで多数の回路情報 (コンテキスト)を保持可能なマルチコンテキストFPGAを実現した。マルチコンテキストFPGAは複数の回路情報を保持し、そのコンテキスト切換えで動作を瞬時に変更可能なFPGAである。したがって、ある回路情報コンテキストが電源障害等で破損した場合、別のコンテキストに切り替えることで不具合からリカバリー可能となる。通常、このマルチコンテキスト化にはコンテキスト数に比例した面積や待機電力オーバヘッドが伴うが、ロジックインメモリ回路技術を活用したアーキテクチャによりこれらのオーバヘッドを大幅に削減することができた。本成果は2014年9月のSSDMで発表されるとともに、Japanese Journal of Applied Physicsにも掲載された。 また、不揮発ロジックインメモリ回路は従来のCMOSベース論理回路と比較してコンパクトな回路構成となるが、それに伴い電源スイッチサイズも大きく縮小可能となる。この定量的な評価を行い、その結果は電子情報通信学会2015年総合大会で発表された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基本回路にセルフリカバリーに関連した具体的な機能を組み込んだこと,またエネルギー高率化に向けた知見も集まっていることから概ね順調に進んでいるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
上記要素回路を組み込んだCAD環境を順次構築中であり,それに基づき提案FPGAの有用性を実証する予定である。
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Remarks |
平成27年度より,東北大学 学際科学フロンティア研究所 助教に異動。
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