2013 Fiscal Year Research-status Report
「いつ」寝るか、はリスク因子か ― 職域連合コホート 時間生物学的観点からの検討
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25870191
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黒田 玲子 東京大学, 学内共同利用施設等, 助教 (50553111)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Social jetlag / 朝型夜型 / 勤務スケジュール / 時間生物学 / 産業保健 |
Research Abstract |
個人の持つ体内時計と勤務スケジュールや家庭の要求など社会要因によって規定される社会的な時計の不一致によって生じる睡眠時間帯のずれ:社会的時差ボケ(Social jetlag)は朝型夜型(Chronotype)の違いそのものよりも、様々な健康障害とより強い相関があるのではないか、という仮説を検討するため、本年度はSocial jetlagの実態把握について検討した。まず(1)J-ECOHスタディ内日勤労働者200人を対象に実施した横断調査のデータを解析し、日本人の日勤労働者の Social jetlagの実態を明らかにした。分布は0.00~4.47(h.min)であり、右に裾が長い分布となった。次に(2)Social jetlagを0.5h未満、0.5以上-2h未満、2h以上、の3群に分割し差を検討した。各群の割合は25%、65%、10%であった。男女別に検討したところ、BMIは男女とも群間の差がなかった。男性では2h以上の群は他の群より明らかに年齢が低かった。女性では群間に年齢の差がみられなかった。ChronotypeはMEQ score, CIRENS score(J-ECOH班で開発しH26年度発表予定), MSFscで検証し、いずれもSocial jetlagが大きいほど夜型の割合が多かった。社会・家庭要因では、男性では2h以上の群で明らかに通勤片道1時間以上の割合が多く、管理職が少なく、未婚が多かった。女性では明らかな差を認めなかった。嗜好品(酒・タバコ・カフェイン飲料)摂取状況には差がなかった。(3)調査実施に際し、併せて調査すべき質問項目について検討した。先行文献や(2)の結果を参考にし、仕事要因として前月の残業時間・通勤時間・その他職場での属性を、家庭要因として婚姻状況・同居の家族の状況を調査することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
H25年度内に(1)Social jetlagの個人内変動を質問紙で調査と、質問紙の妥当性についてアクチグラフを用いて検証する予定であったが、J-ECOHスタディの中で予定していた以下の追加調査について、追加の質問紙調査実施が困難となったため、調査フィールドの変更により、協力企業の繁忙期のスケジュールを勘案してH26年度に行うこととした。 また、(2)本調査としてSocial jetlagとChronotypeをJ-ECOHスタディ内でH25年度に調査し、すでに得られている健康診断の結果をSocial jetlagの有無で層別化した上で相関の検討を行う予定であったが、上記の理由からフィールド変更を行ったため、別の協力企業における企業内の産業保健職を研究協力者とし、新たに調査を行うこととした。
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Strategy for Future Research Activity |
前述の通り、J-ECOHスタディと別途協力企業を募り、予備調査はH26年5月~8月、本調査は、H26年秋からH27年3月まで実施する予定である。すでにそれぞれの研究について、協力企業と承諾書の受領または契約書を作成し、実施にむけて準備を進めている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H25年度に予定していた謝礼を伴う予備調査がJ-ECOHスタディ内での実施が困難になり、フィールド変更を行ったことにより、協力企業で調査可能な時期がH26年度に変更となったため。 平成25年度研究費未使用分と、本年度研究費を併せて、妥当性研究に用いるアクチグラフの追加購入、協力者への謝金、予備調査への参加者への謝品、研究打ち合わせや結果発表のための旅費、報告書や研究結果を産業保健現場で用いることのできるツール(HP、パンフレット)等の作成に使用する。
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