2013 Fiscal Year Research-status Report
放射線源の位置情報を得る事が出来る走行サーベイシステムの開発
Project/Area Number |
25870243
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
後藤 淳 新潟大学, 研究推進機構, 助教 (90370395)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 福島第一原子力発電所事故 / 空間線量率 |
Research Abstract |
本研究では、福島第一原子力発電所事故被災地の汚染状況を詳細に把握するために、空間線量率だけでなくガンマ線がどの方向から主に入射したかを判別可能な自動車走行サーベイシステムを開発し、汚染地域にて実際に測定を実施して除染の計画策定や事後評価等に有効なデータを取得し、公表することを目的としている。 本年度は、まずシステムの制御ソフトの開発に取り組んだ。これまで被災地での測定に使用してきたGPS連動型放射線検出システムBISHAMONの制御ソフトを基に、本研究で用いるために同時多台数制御機能(最大で検出器20台、GPS3台を同時制御)、改良されたリアルタイム測定結果表示機能(線量率で色分けした点を地図上にプロット、時間変化のグラフ表示、ガンマ線エネルギースペクトル表示)を追加した制御ソフトを開発した。 システムのハードウェアの設計等を行った。今回のシステムではコリメータ付検出器の台数を6台とし、それぞれ自動車の進行方向、後方、左右上下の6方向に向けて設置する事にした。コリメータの設計及び自動車へ取り付けるための架台の検討を行った。検出器を購入し、標準線源及び被災地での性能試験を実施した。設計したシステムの性能を評価するためのシミュレーションプログラムを作成し、計算を行った。 本年度は10回以上被災地域に行き、制御ソフトの運用試験、基礎データの取得、検出器の性能試験、鉛ブロックを用いたコリーメータ付検出器での性能試験などを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
全体的にはおおむね順調に進展しているが、コリメータの作製が遅れている。本研究では重量物である鉛製コリメータ付検出器を自動車に搭載して走行しながら測定することになるが、その作製方法や自動車への搭載方法が計画時に想定していたよりも困難である事が判明したので、それらの再検討等に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、遅れている鉛コリメータを作製する。作製方法は2案に絞り込まれているので、早期に試作を実施し、作製方法を決定する。試作したコリメータを用いて性能試験を行った後に、全台数の鉛コリメータを作製する。検出器や制御ソフトなどコリメータ以外の準備はほぼ完了しているので、コリメータが出来次第、テスト測定を実施し調整を行った後に、被災地での本調査を開始する。 本調査で得られたデータをわかりやすい形で公表する方法を開発し、調査結果を広く公表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に実施予定であったコリメータ作製が遅れているため。コリメータ及び自動車へ取り付けるための架台については、作製業者と作製方法案等について打ち合わせを進めており、作製費用はほぼ判明している。よって、平成26年度の計画に影響が無いように、作製費用の見込額を平成25年度の経費から繰越した。 理由欄に記載した通り、次年度使用額のほぼすべてはコリメータ及び自動車への取り付け架台関係の作製費用に使用する見込みである。早期にこれらの作製を完了し、その後は、平成26年度の計画通りに予算を使用する予定である。
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Research Products
(1 results)