2014 Fiscal Year Research-status Report
日本語教育用辞書作成に向けた「外来語の文法」の記述的研究
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25870484
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
茂木 俊伸 熊本大学, 文学部, 准教授 (20392540)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 外来語 / カタカナ語 / 語種 / コーパス / コロケーション / 文型 / 構文 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題の主たる研究テーマは,[A] 基本的な外来語の意味・用法に関する詳細な記述,[B] 外来語の文法的・構文的側面の重点的記述,[C] 日本語教育に有益な意味・文法情報の探索と検討,である。本年度は,このうち[A][B]に関する研究を推進した。 [A]に関しては,本年度は,外来語サ変動詞に加え,新たに外来語名詞の分析を行った。事例研究は,動詞「マークする」と名詞「ピーク」について分析を中心に行った。前者は,昨年度のポスター発表の成果を論文として公表した。後者は,その一部を第259回筑紫日本語研究会において発表することができた。また,前年度から継続する形で,興味深い振る舞いを見せる外来語の抽出とデータの整理を行った。 [B]に関しては,本課題によって具体化を目指す「外来語の文法」研究の方向性と必要性について,日本語教育学会第7回研究集会(四国地区)(招待講演)等の場において3回の発表をすることができた。また,外来語と類義の和語・漢語の比較を開始し,名詞「ピーク」については,形成するコロケーションと意味の相関関係を分析した。 さらに,外来語研究の基盤整備のために,現代日本語の外来語の意味・用法に関する研究文献を収集・整理し,2014年9月に「外来語の意味・用法に関する文献目録」として公開した。2015年3月時点で,127語に関する文献計103編の情報を掲載している。そのノウハウの一部は,日本語文法学会第15回大会チュートリアルで公開し,学界に還元した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は,研究計画時に予定していたデータの整備と分析,関連領域の研究者との意見・情報交換,文献の整理と分析をおおむね実施することができた。特に,研究代表者の異動に伴い保留になっていた文献目録の公開が実現できたことが大きい。 また,当初予定していた発表に加え,招待講演によって研究成果を公表し,日本語教育分野の研究者との意見交換を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は,これまでに整理したデータを活用し,引き続き事例研究の成果を論文の形で公表する予定である。また,文献目録の改訂も順次進めていく。 平成26年度の研究代表者の異動に伴い,利用できる日本語教科書・教材が減ったため,これらの調査を縮小せざるをえないが,弾力的に対応していきたい。
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Research Products
(6 results)