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2013 Fiscal Year Research-status Report

レクチンタンパクは精神疾患の病態メカニズムに関与するか?

Research Project

Project/Area Number 25870494
Research Category

Grant-in-Aid for Young Scientists (B)

Research InstitutionKyushu University

Principal Investigator

梶谷 康介  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (10597272)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywordsガレクチン-1 / レクチンタンパク / 介在神経 / 統合失調症
Research Abstract

本研究の目的はレクチンタンパクの一種であるガレクチン-1の中枢神経における発現・機能に注目し、ガレクチン-1と統合失調症の関係を明らかにすることである。初年時の計画としては1.野生型マウスの海馬におけるガレクチン-1陽性細胞の局在と特徴、2.ガレクチン-1欠損マウスと野生型マウスの海馬における介在神経細胞数の比較、3.統合失調症患者および対照群の研究参加者の募集の準備、を挙げていた。申請者はガレクチン-1陽性細胞の79%が野生型マウスの介在神経マーカーであるGAD67を発現していることを明らかにした。またガレクチン-1陽性細胞の77%がソマトスタチンを、34%がparvalbuminを、31%がneuropeptide Yを、5%がカルレチニンを、2%がカルビンジンを発現していることを明らかにした。この他にもgalectin-1陽性細胞の93%がNeuNを88%がbeta-tubulin IIIを発現していることを明らかにした(いずれも神経細胞のマーカー)。この結果は神経科学の専門誌であるNeuroReportに既に報告している(PMID: 24323124)。またガレクチン-1欠損マウス(KO)と野生型マウス(WT)の介在神経数の比較に関しては、両群のマウスがWT(雄5匹、雌1匹)、KO(雄4匹、雌6匹)のサンプルを回収済みである。統合失調症患者および対照群参加者募集に関しては、九州大学医学部倫理委員会への提出書類を準備中であり、また関連病院への依頼を進めている状況にある。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

初年時の目標である「野生型マウスのガレクチン-1の局在・特徴を明らかにする」は既に達成され、論文発表している。この論文発表の中で申請者はガレクチン-1陽性細胞の多くが神経細胞のマーカーであるNeuNやbeta-tubulin IIIを発現し、しかもその多くが介在神経であることを明らかにしており、ガレクチン-1が介在神経のマーカーになりうることを示唆した。統合失調症は介在神経の障害を伴うため、「ガレクチン-1と統合失調症との関連を明らかにする」という本研究課題の更なる進展に期待が持てる結果となった。
ガレクチン-1と介在神経との関係をさらに検討する為に、ガレクチン-1欠損マウスと野生型マウスの脳サンプルを回収し凍結保存済みである。個体数がそろい次第、ステレオロジー解析を用いてソマトスタチン、parvalbumin、neuropeptide Y、GAD67などの抗体を用いて免疫染色を行い、その後各介在神経マーカー陽性細胞数を両群で比較する準備・体制は整っている。
年齢・性別をマッチさせた統合失調症患者および対照群の参加募集に関しては、大学や関連病院への打診が進んでおり、また申請書も鋭意作成中である。

Strategy for Future Research Activity

平成25年度の成果から、海馬においてガレクチン-1陽性細胞の90%が神経細胞であり、さらに80%近くが介在神経マーカーであるソマトスタチンを発現していることが明らかになった。よって次年度以降はガレクチン-1欠損マウスと野生型マウスの海馬における各種介在神経マーカー数(GAD67、ソマトスタチン、parvalbumin、neuropeptide Y)をステレオロジー解析を用いて比較検討することで、ガレクチン-1の海馬における役割・機能を明らかにしたい。
さらに次年次においては統合失調症モデルであるpolyriboinosinic-polyribocytidilic acid: poly i:c)投与マウスを作成し、海馬におけるガレクチン-1の発現の局在・特徴を免疫染色法、Western blottingなどで検討する。さらにガレクチン-1欠損マウスおよび野生型マウスにpoly i:cをそれぞれ投与し行動解析を行い、その差異を比較検討する(open field, novel objective recognition test, elevated plus maze, water maze)。この研究において両群に差を認められれば次の段階として、抗精神病薬クロザピンを投与することで、行動異常が改善するか否かを検討する。
統合失調症患者および健常者の血中レクチンタンパクの比較研究に関しては、実験参加者を十分そろえ血液採集まで研究を進める予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

科研費が採用される前年度から購入していた動物、抗体、薬品が本年度においても残っていたため新たに購入する機会が限られていた。野生型およびガレクチン-1欠損マウスの介在神経局在の比較に関しては、比較方法、箇所、マーカーの検討に時間を要したため、予算使用の機会が少なかった。
試薬、ガレクチン-1検出キットとして30万円、国内旅費として合計20万円(2回)の使用を計画している。マウス飼料、戻し交配および実験用野生型マウスとしてC57B/6Jを購入するため20万円の使用を計画している。また申請者はH26年4月より大学内で異動があり(医学部から基幹教育院)、異動先で検査機材を購入する必要となるため、遠心分離機(人採血用)購入費として30万円を、プレートリーダー購入費として100万円の使用を計画している。

  • Research Products

    (2 results)

All 2014

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results)

  • [Journal Article] Characterization of galectin-1-positive cells in the mouse hippocampus.2014

    • Author(s)
      Kajitani K, Kobayakawa Y, Nomaru H, Kadoya T, Horie H, Nakabeppu Y.
    • Journal Title

      Neuroreport

      Volume: 25 Pages: 171-176

    • DOI

      doi: 10.1097/WNR.0000000000000068.

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Galectin-1 deficiency improves axonal swelling of motor neurons in SOD1G93A transgenic mice.2014

    • Author(s)
      Kobayakawa Y, Sakumi K, Kajitani K, Kadoya T, Horie H, Kira JI, Nakabeppu Y.
    • Journal Title

      Neuropathology and Applied Neurobiology

      Volume: Epub ahead of print Pages: 1-48

    • DOI

      doi: 10.1111/nan.12123.

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2015-05-28  

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