2014 Fiscal Year Research-status Report
超分子ナノ抗癌剤:葉酸修飾メチル化シクロデキストリン分子ネックレスの構築
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25870542
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
東 大志 熊本大学, 生命科学研究部, 助教 (20613409)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | シクロデキストリン / ポリロタキサン / 医薬品候補化合物 / 超分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
シクロデキストリン誘導体のポリロタキサン (分子ネックレス) を医薬品候補化合物に応用することを目的として、メチル化シクロデキストリンと直鎖上ポリマー (ポリエチレングリコールあるいはポリプロピレングリコール) から成るポリロタキサン誘導体の合成に着手した。前年度、1) 天然シクロデキストリンポリロタキサンを調製し、メチル化反応を行う戦略、2) 有機溶媒を使用した 2 pot 合成法、などにチャレンジしたが、いずれの方法においてもメチル化シクロデキストリンポリロタキサンの調製に至らなかった。本年度はまず、シクロデキストリンとしてジメチルシクロデキストリン、溶媒として水を用い、反応時に加熱する新たな合成方法を試みた。 興味深いことに、加熱しない場合、ポリロタキサンの前駆物質であるポリ擬ロタキサンの収率は 0% であったのに対し、加熱するとその収率は 60% 程度まで上昇した。その反応液に嵩高い官能基 (エンドキャップ分子) を添加し、ポリ擬ロタキサンの量末端をキャップすると、高収率でジメチルシクロデキストリンのポリロタキサンを調製することができた。 上記ポリロタキサンは非生分解性であるため、今後は、生分解性のポリロタキサンを調製し、医薬品としての生理活性を評価していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度、結果が思うように出ず非常に苦しんだが、本年度その壁を乗り越え、兆しが見えてきた。申請当初に比べては少し遅延気味ではあるが、昨年度の予想よりは飛躍的に進展することができた。
これらの状況を総合的に判断し、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のように、今後の最優先課題として、細胞内分解性・生分解性のポリロタキサンを調製することである。次に、ターゲット組織・細胞内に積極的に集積する工夫(ターゲティング)を施し、in vitro ならびに in vivo で生理活性を評価していく。
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Causes of Carryover |
本年度の成果を学会で発表予定であったが、他の業務との兼ね合いの下、参加が困難となってしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度成果発表できなかったため、来年度、バイオマテリアル学会(京都)や日本薬学会(横浜)に参加・発表予定である。
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Remarks |
本申請課題の研究内容を、申請者所属機関がオーガナイズする Joint Conference of 8th Asian Cyclodextrin Conference and 32nd Cyclodextrin Symposium にて口頭発表予定。
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