2014 Fiscal Year Annual Research Report
超音波加振を用いた冷間ニードルパンチによるCFRTP層間特性の向上とその評価
Project/Area Number |
25870643
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
小武内 清貴 岡山県立大学, 情報工学部, 助教 (30614367)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 複合材料 / 熱可塑性樹脂 / 破壊じん性 / ニードルパンチ / 超音波加振 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の業績は以下の通りである. 本年度は,超音波加振装置を用いて,成形したCFRTPに対し,特殊な形状の針を繰り返し刺突した.その際,ニードルの形状および刺突間隔は,先に行った,熱間ニードルパンチ処理によって見出した最適条件を用いた. まず,刺突速度の異なる条件にて超音波ニードルパンチ処理を施したCFRTPに対し,曲げ試験を行った.その結果,熱間ニードルパンチ処理では,熱間ニードルパンチ処理によってCFRTPの曲げ強度および剛性が未処理材のそれに比べ低下したのに対し,超音波ニードルパンチ処理では,CFRTPの曲げ強度および剛性は未処理材のそれとほぼ同程度であった.特に,刺突速度の遅い条件で超音波ニードルパンチ処理を行ったものでは,未処理材に比べ曲げ剛性・曲げ強度の向上が見られた.CFRTP内部の状態を研磨により確認したところ,熱間ニードルパンチ処理では,面内繊維の再配向に伴う繊維の折損が多く見られたのに対し,超音波ニードルパンチ処理では,面内繊維の再配向は少なく,その結果繊維の折損も少なかった.また,超音波ニードルパンチ処理では,柱状の樹脂流れが面外方向に形成されていることがわかった.これらの結果より,超音波ニードルパンチ処理は,面内繊維の折損が少なく,その結果曲げ特性に与える影響が少なかったものと考えられる. 次に,DCB試験によってModeI方向の負荷を層間に与え,CFRTPのModeI層間破壊じん性を定量的に評価したところ,再配向繊維の多い熱間ニードルパンチ処理材には劣るものの,未処理材に対し,60%程度の初期層間破壊じん性の向上が見られた.これは前述の柱状樹脂による面外方向のブリッジング効果によるものだと考えられる. 以上の結果より,本課題にて提案した超音波ニードルパンチ処理は,CFRTPの機械的特性を犠牲にすることなく,層間破壊じん性を向上させることが可能であるとの知見を得た.
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Research Products
(12 results)