2014 Fiscal Year Research-status Report
スフィンゴシン1リン酸輸送体を標的とした新規免疫抑制剤の開発
Project/Area Number |
25870695
|
Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
小林 直木 帝京平成大学, 薬学部, 助教 (90532250)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | スフィンゴシン1リン酸 / 赤血球 / S1P / NBD-S1P |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度の研究では、NBD-スフィンゴシンが赤血球に取り込まれてNBD-S1Pへ代謝され、細胞外に放出されることが明らかになった。また、この赤血球からのNBD-S1Pの放出は、赤血球のS1P輸送体と同様、ABCA輸送体の阻害剤であるGlyburideにより阻害された。 そこで、平成26年度は赤血球のNBD-S1P輸送体が赤血球S1P輸送体と同一のものなのかどうかをさらに検証するため、赤血球からのNBD-S1PやS1Pの輸送がそれぞれ細胞内のS1PやNBD-S1Pにより競合阻害を受けるかどうかを解析した。実験を進めていく過程で、NBD-スフィンゴシンはスフィンゴシンに比べ、細胞内へ取り込まれる速度が非常に遅いことが分かった。したがって、NBD-スフィンゴシンとスフィンゴシンを同時に赤血球へ加えた場合、S1Pと比較して、NBD-S1Pの細胞内での合成量は非常に少なかった。そこで、始めにNBD-スフィンゴシンのみを赤血球とインキュベートし、細胞内でNBD-S1Pを合成させた後、バッファーを除き、スフィンゴシンを含むバッファーもしくは含まないバッファーと交換した。そうしたところ、スフィンゴシンを添加した場合には細胞内でS1Pが合成され、それとともにNBD-S1Pの細胞外への放出が阻害された。また、スフィンゴシンと、その5倍量のNBD-スフィンゴシンをバッファーに添加した場合には、細胞外へのS1P放出が阻害された。以上の結果より、赤血球からのNBD-S1PおよびS1Pの放出は同一の輸送体を介していると考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
赤血球のNBD-S1P輸送体は、赤血球S1P輸送体と同一であることが明らかになったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
赤血球から放出されるNBD-S1Pの蛍光をプレートリーダーにより簡便に高感度で測定する方法と条件を検討し、赤血球S1P輸送体の阻害剤スクリーニングにつなげる。
|
Causes of Carryover |
平成27年度より研究代表者の所属機関が変わったため、平成26年度末に異動の準備により研究を実施できない期間が生じたため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費、旅費、その他の経費として使用する。
|