2016 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of a rapid method for measuring sphingosine-1-phosphate transporter activity
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25870695
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
小林 直木 摂南大学, 薬学部, 助教 (90532250)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 蛍光プレートリーダー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、蛍光標識されたスフィンゴシン1リン酸(S1P)であるNBD-S1Pを用いて、赤血球S1P輸送体阻害剤のスクリーニングに必要な簡便で多検体処理可能なS1P輸送体活性測定系の確立を試みた。赤血球からのNBD-S1Pの放出は、S1Pの放出と同様、時間依存的であり、Glyburideにより阻害された。また、赤血球からのNBD-S1PとS1Pの放出は、細胞内のS1PとNBD-S1Pによりそれぞれ阻害された。これらの結果から、赤血球からのNBD-S1Pの放出とS1Pの放出は同じ輸送体を介していることが明らかになった。私は、NBD-S1Pを用いたS1P輸送体活性測定法を簡便にするため、蛍光プレートリーダーを使用した方法を確立し、検出感度を上げるため、脂質抽出において添加する溶媒の添加量等を最適化した。蛍光プレートリーダーの使用により、HPLCやTLC等のクロマトグラフィーに要する時間を省くことができた。しかしながら、アッセイバッファー中に含まれるNBD-S1Pを定量するためには、脂質抽出を必要とすることがネックとして残っていたことから、脂質抽出を必要としないS1P輸送体活性検出法の確立を試みた。0.1% BSAを含むアッセイバッファーを用いた場合、赤血球とNBD-スフィンゴシンをインキュベーションしてから1時間後にはアッセイバッファー中のNBD-スフィンゴシンがほぼ細胞内へ取り込まれることに着目し、赤血球とNBD-スフィンゴシンをインキュベーションしてから1時間後と2時間後のアッセイバッファーの蛍光を脂質抽出をせずにそのまま測定したところ、S1P輸送体の活性を検出できることが分かった。本研究で確立した方法により、赤血球S1P輸送体の阻害剤が同定できれば、より副作用の少ない免疫抑制剤の開発が可能になると考えている。
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