2015 Fiscal Year Annual Research Report
体つくり運動を支援する児童期の簡易コオーディネーション能力診断テストの開発
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25870976
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
上田 憲嗣 立命館大学, スポーツ健康科学部, 准教授 (10325300)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 動作コオーディネーション能力 / 体つくり運動 / 診断テスト |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、これまで検討してきた児童期の簡易コオーディネーション能力診断テストを用いて、実際に小学校体育科の体つくり運動の授業単元にて学びを診断できるかを検証することと、本研究において開発した簡易コオーディネーション能力診断テストの普及に向けた検討を行うことを目的とした。 まず、診断テストの体つくり運動授業単元における活用の検証については、児童の運動発達の適時期にあると考えられている小学4年生、および小学5年生の児童計71名(うち女子40名)を対象とした。これらの児童に小学校体育科の運動領域体つくり運動の授業単元のなかより、4年生は「多様な体つくり運動」、5年生は「巧みな運動」を向上させる授業単元を作成し実施した。これら授業単元の実施前後において、本研究において開発した簡易コオーディネーション能力診断テストのうち反応能力、及びバランス能力を診断評価できるテスト、および診断的総括的授業評価および運動有能感調査、さらには授業単元の毎時間の形成的授業評価を実施した。この結果、小学4年生および5年生児童の双方にコオーディネーション能力の有意な記録の向上が見られた(p<0.01)。また、診断的・総括的評価については情意目標および運動目標に向上が、運動有能感については統制感に有意な記録の向上がみられた(p<0.01)。さらに授業単元の形成的授業評価については、4年生児童は徐々に高い評価へと推移した様子が示された。これらより、本研究にて開発した簡易コオーディネーション能力診断テストは体つくり運動授業単元の学習成果を診断評価するテストとして導入できる示唆を得た。 次に、本研究で得られた研究成果の普及については、所属する学会において発表することで広く公開した。さらに、授業内で簡便に活用できるような実施方法の動画公開やツールのWEBを通じた公開については、継続して検討することとなった。
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