2014 Fiscal Year Research-status Report
職種別の器械出し業務の現状と手術患者の安全のための状況判断とアセスメントの研究
Project/Area Number |
25870991
|
Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
宮本 いずみ 久留米大学, 医学部, 助教 (80587064)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 器械出し業務 / 手術看護 / 他職種による器械出し業務 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年6月~9月に全国の手術時に器械出し業務に従事している人を対象に質問紙調査を行った。調査内容は、個人に関すること(年齢、役職、職種、採用時の業務内容、経験年数、学歴)、勤務している施設に関すること(病床数・手術件数、手術室数、看護師数)、職場で器械出し業務を行っている職種について、看護師以外が器械出し業務を行う理由、手術時に行っている器械出し業務の従事状況などである。 調査は209施設に調査を依頼し、同意の得られた75施設974名に調査票を配布した。回収は629人(回収率66.4%)であった。回答者の平均年齢は35歳、職種は看護師583名(93.4%)、准看護師25名(4.0%)、臨床工学技士10名(1.6%)であった。平均経験年齢は12年、器械出し業務の経験年数は0~12年で平均年数は7年であった。学歴は専門学校473名(75.8%)、短期大学49名(7.9%)、大学62名(9.9%)、その他19名(3.0%)だった。平均病床数は469床、平均手術症例数は3869件、平均手術室数は8室、手術室に勤務する平均看護師数は28人、病院に勤務する平均看護師数は468人であった。器械出し業務に従事している職種は、看護師、准看護師、看護助手、臨床工学技士、医療器材を取り扱う業者、医師などが行っていることが明らかとなった。看護師以外が器械出しを行う理由として最も多い理由が、看護師不足であった。ついで多い理由は「限られた手術」、「休日・時間外の手術」で看護師以外の職種が器械出しを行っていることが明らかとなった。 職種別の器械出し業務の実施状況に有意な差はみられなかった。 役職(師長、主任、スタッフ)と器械出し業務の従事状況、採用時の業務と器械出し業務の従事状況、学歴と器械出し業務の従事状況では、有意な差がみられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
第1段階の計画で、調査票は全国の手術時の器械出し業務に従事している者を対象とし、調査を依頼をしたが、看護師以外の職種が器械出し業務を行っていることを匿名であっても施設内ことを明らかにされては困るという理由から、調査依頼をお願いしても施設長の同意を得ることがやや困難であり、調査協力に同意がなかなか得られず、対象者を確保するのに時間を要した。 第2段階の計画もしているが、第1段階の計画の遅れもありやや遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究の調査に関して、看護師以外の職種が器械出し業務を行っていることを匿名であっても施設内ことを明らかにされては困ると理由から、調査依頼をお願いしても施設長の同意を得ることが困難であるため、看護師以外の臨床工学技士の研修会や学会等に研究の依頼をして、対象者に直接研究依頼をしていこうと検討している。また、夏季休暇や休みの時間を利用して、研究の遅れを取り戻していきたいと考える。
|
Causes of Carryover |
研究の調査依頼に関して、全国の手術時の器械出し業務に従事している者を対象に調査を行うにあたって、全国の施設長や看護部長に調査依頼を行ったが、手術時に看護師以外の職種が器械出し業務を行っていることを匿名であっても施設内のことを明らかにされては困ると理由から、調査依頼をお願いしても同意を得ることが困難な施設もあった。このことにより、研究の同意を得ることがやや難しく、計画よりやや遅れている状況である。また、第二段階のインタービュー調査も実施できていないため、その研究協力者に支払う謝金等が未使用となっている。以上のことから予定していた研究成果の発表等が実施ができていないため、旅費等の使用額も少なくなった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
2015年度(平成27年度)に3つの国内学会、1つの国際学会にて発表する予定である。
|