2014 Fiscal Year Research-status Report
スプラインベースドアプローチによる手書き文字画像からの動的書字スキル抽出法
Project/Area Number |
25871003
|
Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤岡 寛之 福岡工業大学, 情報工学部, 教授 (10349798)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 筆順復元 / スプライン曲線 / 平滑化スプライン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は申請者が取り組んできた数理的な立場からのスプライン関数の理論と応用に関する研究の発展として位置づけられるものである.特に,スプラインの理論に基づくアプローチを採用することで,手書き文字の静的画像から文字筆順を復元し,その復元された筆順情報から書字者の書字速度・加速度パターンなどのいわゆる動的書字スキルを抽出するための手法を確立することを目的としている.これらの成果は法科学分野の筆跡鑑定やパーキンソン病に対するリハビリテーション効果判定法をはじめとする多様な分野へ新たな指針を与えるものになると期待できる.
平成26年度は,主に「骨格スプラインモデルの理論とアルゴリズムの開発」に関する研究に取り組んだ.前年度の研究により細線化処理技術により文字画像からその文字構造に合致したグラフを構築することは難しく,特に「にじみ」や「かすれ」などいわゆるノイズを含む場合にはさらにその難しさは増すことになる.そこで本年度は,文字画像からグラフを正確に構築できる骨格スプラインモデルの理論とアルゴリズムの開発に集中した.その研究の過程で,ヒトの書字運動時に「筆滑り」が生じることからヒントを得て,そのような筆滑りにロバストな文字の骨格モデルを構築する手法についても平滑化スプラインおよびサポートベクターマシンの理論を基礎に研究を行った.細字ペンで書いた文字画像を用いた実験では,おおよそ良好な結果が得られている.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3年間に取り組む課題は以下の(A), (B), (C)であり,初年度に課題(A)をほぼ完了し,2年目の本年度は課題(B)に注力しほぼ完了している.最終年度に取り組む課題(C)はまだ未着手であるが,本課題に対するおおよその見通しがたち,研究内容の進展,および国際会議発表などによる成果の公表はほぼ予定どおりのペースで進んでいる.(A)手書き文字の静的画像からの筆順復元法の枠組みの開発,(B) 骨格スプラインモデルの理論とアルゴリズムの開発,(C) 動的書字スキル抽出法の開発
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の申請した計画に沿って,最終年度は以下の予定課題のうち課題(C)に注力する.また,それと並行して課題(A),(B)についても発展的な方向性を探る.現段階では研究遂行上での変更の必要性や問題点は特にない.
|
Causes of Carryover |
当該年度の所要額のうち次年度使用額213,632円は当初参考図書および実験消耗品の購入費用として充てる予定であったが,本年度使用の緊急性もなく次年度予算と合わせ参考図書,実験における器材・消耗品の購入費用として使用するのが有効と判断した.
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験消耗品や参考図書などの物品費400,000円,国際会議等の研究成果発表および研究打ち合わせのための旅費として400,000円,および学会参加費や論文掲載料などその他の項目として213,000円の使用を計画する.
|
Research Products
(6 results)