2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25871144
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
金城 純一 独立行政法人理化学研究所, 生命システム研究センター, 訪問研究員 (90628471)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 光第二高調波 / 微小管 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の研究計画は、以下のとおりであった。(1)試験管内の再構成系において、微小管のSHG偏光依存性およびそのヌクレオチド状態依存性を調べ、構造多型性を明らかにする。(2)細胞内微小管計測に向けて、微小管極性を判別できる実験系を構築し、基礎実験として微小管束を用いた計測を行う。この計画にそって研究を進めた結果、(1)に関しては一定の成果を得たが、(2)に関しては実験に着手出来ず、成果を上げることができなかった。当年度の研究成果を以下に簡潔に述べる。 まず、前年度の成果によって高感度化を果たした走査型SHG顕微鏡を用いて、単一微小管のSHG偏光依存性を、GTPのアナログであるGMPCPP状態、およびGDP-taxol状態に対して取得し、その統計解析を行った。その結果、平均の偏光依存性に有意差が見られた。一方で、単一試料ごとに構造状態を判別するには、信号/ノイズ比が不十分であることが分かった。そこで、信号/ノイズ比を上げ、定量性の向上を図るために、微小管を束化することを試みた。微小管の束化には、アフリカツメガエルの精子および卵抽出液から生成される微小管形成核を用い、これに精製したチューブリンを加えて作成した。この方法で束化した微小管試料を、カバーガラス上に作成した流路内に注入し、30%グリセロールバッファで固定したものを、SHG顕微鏡を用いて計測した。本実験では、GDP状態およびGDP-taxol状態の計測を行い、両者を比較した。その結果、単一の微小管束試料内ではSHG偏光依存性が空間的に均一であることが分かった。これを利用し、束内の平均値を用いて再解析した所、GDP状態とGDP-taxol状態間で、有意差が見られた。今後、微小管束を用いた実験系を利用して、より多くのヌクレオチド状態、および微小管結合タンパク等による修飾状態での構造解析に発展させていきたい。
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Research Products
(2 results)