2014 Fiscal Year Annual Research Report
mRNA内包ナノミセルを用いた抗アポトーシス因子導入システムの開発とその治療応用
Project/Area Number |
25882011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
内田 智士 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20710726)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | mRNA導入 / 遺伝子治療 / 劇症肝炎 / 抗アポトーシス因子 / 非ウイルス性キャリア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、抗アポトーシス因子発現mRNAを導入することで劇症肝炎モデルマウスの治療を目指した。前年度までに、独自に開発した高分子ナノミセルを用いることでマウス肝臓へ高効率にmRNAを導入することに成功した。 本年度、まず、非致死量のFasリガンドを投与して劇症肝炎を誘発したモデルマウスに対して、ナノミセルを用いてBcl-2発現mRNAを投与した。投与4時間後の組織切片を用いた観察で、Bcl2導入により未治療群と比べて有意にアポトーシスが軽減していることが分かった。更に致死量のFasリガンドを投与したモデルでは、Bcl-2発現mRNAの導入により生存率が改善する傾向が観られた。 このようにmRNAを用いることで優れた治療効果が認められた一方で、Bcl-2発現プラスミドDNA(pDNA)を用いた際には効果が観られなかった。この原因に関して、mRNA導入ではほぼすべての肝細胞にBcl-2発現が得られる一方で、pDNA導入では高々20%程度の細胞にしかBcl-2発現が得られないことが示唆された。即ち、mRNAではより多くの肝細胞にて抗アポトーシス効果が得られたものと考えられる。 このようなmRNAとpDNAの発現分布の違いは治療応用において重要であるため、そのメカニズムについても検討した。投与後のmRNAとpDNAの肝組織における分布を観察したところ、いずれもほぼすべての細胞の細胞質には分布していたが、細胞核への移行は一部の細胞にしか観られなかった。従って、pDNA導入では核移行が障害となり、多くの細胞で発現が得られなかった一方で、mRNA導入では細胞質への移行だけで十分であるため、すべての細胞に発現が得られたものと示唆された。 以上のように、本研究では劇症肝炎の新たな治療法を提示することに成功した。更に、mRNA導入のメカニズムに関して、今後本システムを他の様々な疾患へ応用する上で、重要な知見を得ることが出来た。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] A tadpole-shaped gene carrier with distinct phase segregation in a ternary polymeric micelle.2015
Author(s)
Q. Chen, K. Osada, M. Pennisi, S. Uchida, T. A. Tockary, A. Dirisala, Y. Li, K. M. Takeda, S. Oniyanagi, K. Itaka, K. Kataoka
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Journal Title
Soft Matter
Volume: 11
Pages: 2718-2722
DOI
Peer Reviewed
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