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2013 Fiscal Year Annual Research Report

口語英語コーパスを利用した会話の相互行為的言語現象の研究と教科書教材への応用

Research Project

Project/Area Number 25884085
Research Category

Grant-in-Aid for Research Activity Start-up

Research InstitutionKansai Gaidai University

Principal Investigator

山崎 のぞみ  関西外国語大学, 外国語学部, 准教授 (40368270)

Project Period (FY) 2013-08-30 – 2015-03-31
Keywords口語英語コーパス / 会話 / 相互行為 / コーパス言語学 / 話順交替 / 高校英語教科書 / モデル会話
Research Abstract

当該年度は、会話という動的な相互作用の中で語彙や文法がどのように話者交替システムに関わっているかということを明らかにするため、口語英語コーパスを利用して調査を行うところから開始した。
特に、従属接続詞としてではなく独立した談話標識として並列的に発話を連結するbecause節が、会話の中でどのようなパターンで生起し、どのような談話的役割を果たしているかということを、口語コーパスを用いて調査し、論文にまとめた。その結果、会話におけるbecause節には、ターンの維持や発話の仕切り直し・自己修復をマークすることが多い一方で、相手の無反応によってターンの拡張を迫られて生じることもあることや、話者のターンの拡張を迫るようなタイプの相手の反応によってbecause節が生起することも指摘した。また、別の話者がbecause節を付け加えるタイプは協同発話の言語現象の一種を表し、話者同士の連帯感や収斂を促す効果がある。さらに、対立的な議論や意見の相違が起こっている会話においては、論点の主張や反駁、競合的なターンの獲得・継続と密接に関わっていることを示した。以上の結果は、文に構造的に統合されていない並列的なbecause節は、相手の反応に応じて即興的に行うターンの維持・獲得・拡張などのマネジメントや談話構築に深く関わっていることを裏付けるものである。
さらに、高等学校用・英語教科書の編纂に加わる中で、教科書のモデル会話にリアルタイムな談話構築を表す諸特徴がどの程度反映されているかを考察した。この面に関しては具体的な調査がまだ進んではいないが、今後、response tokens(返答語句)を切り口として、聞き手として話者が会話の進展にどのように寄与しているかという点について、実際の会話と教科書の会話を比較したいと考えている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

9月以降の交付だったこともあり、約半年間で、口語英語コーパスを利用した会話の相互行為的言語現象の研究はある程度行えたが、教科書のモデル会話の調査や教科書への研究結果の応用までは至らなかった。今後は、教科書の言語の調査に比重を移し、遅れを取り戻したいと考えている。
教科書の編纂に関わる中で教科書の会話例の相互行為的側面には常に目を向けていたが、それに特化した研究を行うまでには時間が足りなかった。

Strategy for Future Research Activity

新課程用に発刊された主要な英語の教科書は入手済なので、今後は26年度用に新たに発刊された「コミュニケーション英語II、III」「英語表現II」の教科書を入手し、リアルタイムな談話構築を表す諸特徴がどの程度、教科書の言語に反映されているか調査する。さらに、口語英語コーパスを用いた会話の言語の分析結果と、上記の結果を付き合わせ、教科書の言語に含めるべき相互行為的な語彙・文法の要素を選択し、モデル会話例やタスクの提案を行いたい。
会話の即興性を表す相互行為的言語現象には、あいづち、談話標識、重複、言い淀み、修復、出だしの間違いなど多岐にわたり、全てを網羅するのは現実的ではない。だが、当該年度に行ったbecause節の分析で明らかになったように、上記現象は個別というよりは重なり合って生起し、会話の即興性・対人関係的側面・話者交替システムと複合的に関連している。今後の調査でもこれらの現象に多角的に目配りをしたいと考えている。
研究対象は主として日本の英語教科書だが、会話の教材は海外の出版社からも豊富に発行されている。どのようなタスク・問題を取り上げているか、参考にすべき点も多いと考えられるので、海外出版物にも目を向けていくつもりである。

  • Research Products

    (2 results)

All 2014 2013

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 会話におけるbecause節の相互行為的機能2014

    • Author(s)
      山崎のぞみ
    • Journal Title

      現代英語談話会論集

      Volume: 第9号 Pages: 未確定

    • Peer Reviewed
  • [Book] Vision Quest (English Expression II) (文部科学省検定済教科書 高等学校外国語科用)2013

    • Author(s)
      野村恵造、山崎のぞみ、内田諭、島原一之、Richard Caraker、Richard Smith、新興出版社啓林館編集部
    • Total Pages
      143ページ
    • Publisher
      新興出版社啓林館

URL: 

Published: 2015-05-28  

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