2014 Fiscal Year Annual Research Report
モノからみる芸能文化のグローバル化―バリの仮面と楽器を事例として
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25884096
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Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
吉田 ゆか子 国立民族学博物館, 先端人類科学研究部, 機関研究員 (00700931)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | グローバル化 / バリ芸能 / マテリアリティ / 民族誌 / 文化人類学 |
Outline of Annual Research Achievements |
国内では、都内を中心に3つの日本人によるバリ芸能実践グループの活動の調査を続けた。部分的には、自身も公演に携わりながら、参与観察をおこなった。海外では、米国(ボストン、バークレイ、ホノルル)と香港およびジャカルタを訪れ活動実態についての調査を行った。また本年は、ガムランの主要な形式であるゴン・クビャールが生まれた100周年を記念するイベントがバリ島現地で開催され、日本と米国からのグループが出演したため、この現地調査も行った。 米国では、大学内で結成されたり、それを地元に発展させる形でグループが結成されることが多い。ボストンのグループは、実験的な曲作りが特徴的で楽器自体もオリジナルに開発している。バークレイのグループは歴史が長くまたバリとのつながりが深い。ハワイには比較的新しいグループがあり、現在大きなプロジェクトを抱えている。 日本国内では、大学とは別にグループが多数結成されている点が特徴的である。また、神社や寺といった宗教的公共空間を利用した上演活動が頻繁にみられる点も興味深い。 ジャカルタでは、ヒンドゥ教徒コミュニティおよび、バリ芸能クラブを母体としてグループが形成されているが、ムスリムの参加者も多い。 調査対象となったグループは多様だが、どこもが多かれ少なかれバリのモノに関わる信仰・文化に学び、供物を楽器や仮面に供える等の実践をしていた。また、楽器の重さ、大きさ、音量が、さまざまな面で実践に影響を与えている。加えて日本の神道や仏教そしてジャカルタのイスラム教といった、現地の宗教的な文脈に部分的に影響も受けている。現在はこれらの事柄の具体的な差異や共通点について分析を進めている。 なお期間中は2つの国際学会にて口頭発表し、意見交換をした。さらに、米国の民族音楽学会を訪れ、モノに着目する民族音楽学の最新の研究動向について情報収集した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)