2013 Fiscal Year Annual Research Report
裁判員制度のコミュニケーションに日常的規範が及ぼす影響に関する会話分析研究
Project/Area Number |
25885076
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Meiji Gakuin University |
Principal Investigator |
小宮 友根 明治学院大学, 社会学部, 研究員 (40714001)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 裁判員裁判 / 模擬評議 / エスノメソドロジー / 会話分析 |
Research Abstract |
平成25年度に遂行した研究作業は以下のとおりである。 第一に、研究成果発表についてはおおむね予定どおり遂行した。昨年度に日本法社会学会で報告した、模擬評議における裁判員のアイデンティティと評議進行の関連に関する分析を論文化したものを『法社会学』誌79号に「裁判員は何者として発言するか」という題目で投稿し、採用された。『法社会学』79号は裁判員制度特集号であり、法社会学的に裁判員制度を考察していくうえでのエスノメソドロジー/会話分析の視点の重要性が一定程度認められた点でこの成果の意義は大きい。 学会報告としては、評議における裁判員の発言順番取得問題について分析した内容について、8月にカナダで開催された国際エスノメソドロジー/会話分析学会において“The ‘position' of the lay judge’s utterances in deliberations”という題で報告をおこなった。また、12月に宮崎公立大学で開催されたジェンダー報学会では、「強姦罪における「被害者資格」論・再考」と題して、法的推論の中で日常的規範が果たす役割について再考し、特に性別規範が性暴力裁判の中で引き起こす問題と、裁判員裁判における注意点について考察した報告をおこなった。ただし、上記二本の学会報告の論文化については予定より遅れており、今年度の課題となっている。 第ニに、データ収集については、やや遅れが見られているものの、模擬裁判の録画については、昨年に引き続き東洋学園大学の宮園久栄教授の協力のもと、新たに一例の模擬裁判について、録画データの収集をおこなうことができた。ただし、日常会話のデータおよび裁判例については収集が遅れており、今年度の課題となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度は後期後半に翌年度の所属異動が決まりその準備に時間を割く必要があったこと、および家族の緊急入院があり何度か帰省する必要が生じたことにより、研究計画の一部に遅れが生じた。具体的には、研究実績欄で述べたとおり、昨年度のうちに論文化して投稿予定だった二本の学会報告の論文化が終わっていないほか、日常会話および裁判例のデータ収集に遅れが生じている。 またこの結果、論文投稿におけるネイティブチェック費用、データ収集における撮影機器の整備費用などについて、予算の執行を予定どおり行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の研究推進方策は以下のとおりである。 まず学会報告については6月に米国ロサンゼルスで開催される国際会話分析学会において、模擬評議のデータと日常会話のデータの比較をもとに評議コミュニケーションの特徴について考察する報告をおこなう予定である。 論文発表については、まず昨年度おこなった学会報告について早急に論文化を終え、一本を国外学会誌(Journal of Pragmaticsあるいは Research on Language and Social Interactionなど)に、もう一本を国内学会誌(『ジェンダー法学』など)への投稿をおこなう。その上で、今年度報告予定の上記の学会報告についても論文化と国外学会誌への投稿を目指す。 データ収集については、今年度も昨年同様に模擬裁判のデータ収集をおこなうほか、昨年度遅れていた日常会話のデータおよび裁判例の収集に、より注力したい。
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Research Products
(2 results)