2013 Fiscal Year Annual Research Report
固体NMRを用いたマジックサイズクラスターの構造と保護分子との相互作用の解明
Project/Area Number |
25888009
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野田 泰斗 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (00631384)
|
Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
|
Keywords | マジックサイズクラスター / 表面構造 / CdSe / 固体NMR / 物理化学 |
Research Abstract |
本研究では、大きさが1 nm台で特定の構成原子数(サイズ)のみ安定なCdSeマジックサイズクラスター(以下、MSC)の構造を明らかにする。核磁気共鳴法(NMR)を用いて、CdSe MSCのSe原子とCd原子の配置を明らかにすると共に、CdSe MSCを保護している分子が表面サイトとどのように結合しているのか解明する。これにより、CdSe MSCの特異な安定性を保護剤との相関も含めて包括的に理解することを通して物質科学に資することを目指している。 上記の目的を達成するために、同位体濃縮したCdSe MSCの合成と1H-77Se-113Cd MAS NMRプローブの開発を実施し、合成した試料を作製したプローブを用いて様々な固体NMRのパルスシーケンスとデータ取得手法により、表面サイトの同定や保護分子との相関の解明を行う。 平成25年度(平成25年9月~平成26年3月)の半年間では、保護剤としてL-システインの他に、L-システインメチル、L-ペニシルアミン、ジチオブチルアミンを用いてCdSe MSCの合成と固体化を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
L-システイン以外の保護剤でもCdSe MSCが合成可能であり、安定に固体化できることを見出した。さらに、合成する過程でCdSe MSCを任意に凝集したり再溶解させたりできる方法を発見した。後者は今回の研究とは少々方向性が異なるが、MSCの安定性を理解する上でだけではなく、MSCを用いて更に高次のナノ構造体を作る上で発展性がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
CdSe MSCの合成まで問題なくできている。本年度は前半で3重共鳴プローブの開発を実施し、後半では開発したプローブを用いて合成したCdSe MSCの固体MAS NMR測定を行い、結果をまとめて発表していく。
|