2013 Fiscal Year Annual Research Report
高度な骨分化能と抗炎症作用を有する幹細胞を利用した新規歯周組織再生療法の確立
Project/Area Number |
25893221
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
澤田 俊輔 岩手医科大学, 歯学部, 研究員 (60711075)
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Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 / インターロイキン / IL-1 / IL-6 / 再生医療 |
Research Abstract |
「研究目的」口腔内感染症である慢性歯周炎は、微弱な炎症が長期に持続するという特徴を持ち、罹患率の高さからも国民を悩ます口腔疾患である。重度の慢性歯周炎では炎症性骨吸収による歯槽骨吸収が進行し、抜歯を余儀なくされるケースが少なくない。炎症を効率的に抑制するとともに、歯槽骨再生を積極的に促す新規治療法の確立は重要な課題となっている。 本研究では重篤な慢性歯周炎治療や若年者にみられる急速な骨吸収を特徴とする侵襲性歯周炎において、間葉系幹細胞(MSC)をcell deviceとした細胞治療cell therapyの臨床応用を目指した基礎的研究ならびに有効性の証明を目的とする。 「研究成果」 本研究の特色は複数の炎症性サイトカインを抑制する融合タンパク発現機能と、間葉系幹細胞の持つ組織修復能を組み合わせることである。本年度は、歯周炎治療に汎用されるテトラサイクリン系薬剤の局所投与を想定し、Tet-ON system発現ベクターの改良を試みた。代表的な炎症性サイトカインIL-1およびIL-6/sIL-6R複合体に対するアンタゴニストであるIL-1ra、sgp130をタンデムに搭載したCMVプロモーターのIL-1ra-sgp130発現ベクターは既に構築済みであった。構築済み発現ベクターのIL-1raおよびsgp130領域をリンカー配列を含んでサブクローニングし、新規発現ベクターpTet-IL-1ra-sgp130の構築を行った。 また、株化したGFP-MSC株間の分化能および遺伝子発現の比較検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は我々が従来より開発してきたIL-1のアンタゴニストであるIL-1raとIL-6の抑制効果を持つsgp130をタンデムに搭載した発現ベクターから融合タンパク領域のクローニングを行いTet-ON Systemへのサブクローニングを試みた。また、株化したGFP-MSCの解析も同時に進行している。Tet-ON syttemを用いたMSCの融合タンパ発現能の検討や、精製された融合タンパクの抗炎症効果は未確認であるものの、本研究の特色であるMSCへの発現ベクター導入の準備段階が整いつつあると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
発現タンパクの有効性を確認するためにin vitroにおいて炎症抑制効果を検証する。初代培養された歯肉線維芽細胞を用いてNF-κB、stat3、MAP kinaseカスケードの抑制ならびにcathepsin、MMPs、VEGFの産生誘導抑制効果をウェスタンブロットとELISAにて評価する。 また、株化したGFP-MSC株が複数株存在するため、細胞株間の分化能、遺伝子発現変動を比較検討し、どの細胞株を用いin vivo実験に用いるか決定する。 融合タンパクの有効性の確認および、GFP-MSC株の検証の後in vivo実験へ移行する。はじめに、株化したGFP-MSCの歯周炎モデルマウスへの集積確認をIVIS imaging systemで行う。コントロール群、GFP-MSC単独群、融合タンパクTet-ON system搭載GFP-MSC群など各系においてuCTで炎症部位を撮影し骨吸収の抑制効果および骨再生能を評価する。uCTでの評価が難しい場合は免疫組織染色で炎症性細胞の浸潤程度や炎症性サイトカインの有無を評価する。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Novel SCRG1/BST1 axis regulates self-renewal, migration, and osteogenic differentiation potential in mesenchymal stem cells2014
Author(s)
Aomatsu E., Takahashi N., Sawada S., Okubo N., Hasegawa T., Taira M., Miura H., Ishisaki A., Chosa N.
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 4
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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