2014 Fiscal Year Annual Research Report
成人先天性心疾患の包括的循環動態評価および病態形成メカニズムの解明
| Project/Area Number |
25893227
|
|---|
| Research Institution | Saitama Medical University |
|---|
Principal Investigator |
栗嶋 クララ 埼玉医科大学, 医学部, 客員講師 (40406509)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2013-08-30 – 2015-03-31
|
| Keywords | 成人先天性心疾患 / フォンタン循環 / 心血管機能 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、成人先天性心疾患（ACHD)患者の病態を、心血管機能、血行動態の側面から包括的に捉え、経時的変化、病態形成に至るメカニズムを解明することにより、ACHD患者の適切な治療、管理に役立てることを目的としている。
ACHDの中でも、特に機能的単心室に対して行われるFontan手術における心機能、血行動態に注目した。Fontan術後遠隔期の合併症である肝硬変や蛋白漏出性胃腸症は、中心静脈圧（CVP)と密接に関連している。中心静脈圧を下げることは患者の予後改善に繋がると考えられる。しかし、高いCVPの患者がすべて合併症を発症するわけではない。通常のカテーテル検査では、安静時のCVPのみしか測定できず、実際日常生活における中心静脈圧の変動（動的CVP）は明らかではない。我々は、運動負荷中の末梢静脈圧から推定される中心静脈圧により動的CVPを算出した。肝鬱血の程度は動的CVPや携帯式行動量測定計により測定した活動量とよく関連しており、動的CVPの重要性が示唆された。
動的CVPに影響する因子として、静脈キャパシタンスがある。Fontan術後患者は、心不全患者と同様に交感神経が興奮していることが明らかになってきた。本研究では、交感神経賦活化による静脈キャパシタンス低下は、動的CVP上昇、遠隔期合併症や運動耐用能低下と関連している可能性が示された。また、静脈キャパシタンス低下への介入として、心不全患者と同様に和温療法等の有用性が示唆された。
また、Fontan術後患者以外のACHDとして、修正大血管転位症やファロー四徴症の右心不全における心血管機能を評価し、適切な管理、治療について検討した。
|
| Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
| Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
| Remarks |
研究成果および最新知識を患者さんに還元するために、フォンタン患者さん、ご家族向けセミナーを開催した。
|
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] 小児循環器学会学術委員会研究報告 成人先天性心疾患の心血管機能(第1報) Fallot四徴症における大動脈拡大機序と心血管機能2014
Author(s)
関 満，桑田 聖子, 栗嶋 クララ, 金 晶恵, 中川 良, 犬塚 亮, 杉本 昌也, 齋木 宏文, 岩本 洋一, 石戸 博隆, 増谷 聡, 先崎 秀明
-
Journal Title
日本小児循環器学会雑誌
Volume: 30(6)
Pages: 601-611
Peer Reviewed
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] 先天性心疾患児の呼吸機能2014
Author(s)
桑田 聖子, 栗嶋 クララ, 金 晶惠, 岩本 洋一, 齋木 宏文, 石戸 博隆, 増谷 聡, 先崎 秀明
Organizer
日本小児循環器学会
Place of Presentation
岡山コンベンションセンター（岡山県岡山市）
Year and Date
2014-07-03 – 2014-07-05
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] 大学病院における小児循環器科外来の現状と課題 患者アンケートの結果から2014
Author(s)
大津 幸枝, 先崎 秀明, 増谷 聡, 石戸 博隆, 岩本 洋一, 栗嶋 クララ, 桑田 聖子, 鈴木 悦子, 齊藤 郁子, 佐藤 友歌, 内田 かおり
Organizer
日本小児循環器学会
Place of Presentation
岡山コンベンションセンター（岡山県岡山市）
Year and Date
2014-07-03 – 2014-07-05
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
