2013 Fiscal Year Annual Research Report
隠匿情報検査における自己関係項目に対する誤判定の事象関連電位を用いた識別
Project/Area Number |
25906009
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Research Institution | 青森県警科学捜査研究所 |
Principal Investigator |
花山 愛子 青森県警察本部刑事部科学捜査研究所, 警察職員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 隠匿情報検査 / 事象関連脳電位 / 自己関係項目 |
Research Abstract |
【目的】 隠匿情報検査(Concealed Information Test ; CIT)の問題点の1つに、被検査者自身に関係する項目(自己関係項目)に由来する弁別反応と裁決項目(犯罪事実と一致する項目)に由来する弁別反応の識別が困難であるということがある。本研究では、裁決項目と自己関係項目に対する事象関連脳電位(Event-related Brain Potential ; ERP)の反応成分の違いに注目し、両項目に対する弁別反応の識別が可能であるかを検討した。 【方法】 現金を盗む模擬犯罪場面を経験させ、窃盗の犯人であることを隠すよう教示し、ERPを指標として、有罪条件(裁決項目を含む質問表)、無罪条件(裁決項目を含まない質問表)及び無罪自己関係条件(裁決項目を含まず自己関係項目を含む質問表)の3質問表についてCITを実施した。質問項目はモニターに文字で視覚提示し、各質問項目を1回ずつ呈示する試行を1質問表につき30試行繰り返した。項目の提示間隔は、1500~3000msでランダムにした。ERPの測定部位は頭皮正中線上の4カ所(Fz、Cz、Pz、Oz)とし、眼窩上下に装着した電極から眼電図を測定し、瞬きや眼球運動によりアーチファクトが混入した試行を除いて加算処理を行い、加算回数が20試行未満のものは除外して分析した。 【結果】 有罪条件では、裁決項目に対して、Fz、Cz及びPzにP3、PzにLPP (Late Positive Potential)が見られた。無罪条件では、いずれの部位にも弁別反応は見られなかった。無罪自己関係条件では、自己関係項目に対して、FzにP3及びLPPが見られた。したがって、P3やLPPの発現部位の違いによって、自己関係項目に由来する弁別反応と、裁決項目に由来する弁別反応を識別できる可能性が示唆された。
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