2013 Fiscal Year Annual Research Report
体育授業に伴う一過性の感情が長期的な感情及び運動セルフ・エフィカシーに与える影響
Project/Area Number |
25908012
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Research Institution | 尼崎市立園田東小学校 |
Principal Investigator |
大平 誠也 尼崎市立園田東小学校, 教員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 一過性の感情 / 長期的な感情 / 高揚感 |
Research Abstract |
本研究では, 荒井(2010)の知見を踏まえ, 授業終了時の長期的な感情及び身体活動セルフ・エフィカシーを成果変数として, 体育授業に伴う一過性の感情が成果変数に及ぼす影響を検討することを目的とした. 対象者は, ①兵庫県尼崎市のA小学校6年生22名(男11名, 女11名)授業は走り幅跳び, ②熊本県山鹿市のB小学校E年生34名(男18名, 女16名)授業はティーボールであった. 一過性の感情測定は, 学習カードに組み込まれた顔の絵を用いた感情尺度で毎時間実施し, 感情得点の平均点を求め, 一過性の感情得点として扱った. 長期的な感情及び子ども用身体活動セルフ・エフィカシーは, 単元(最終回)終了後に回答を求めた. 長期的な感情の測定は, 子ども用一般感情尺度であり, 身体活動セルフ・エフィカシーは, 身体活動セルフ・エフィカシー尺度で求めた. その回答に得点を与え, 項目数で除しそれぞれの感情得点とした. 体育授業に伴う一過性の感情得点と授業終了後の測定指標との関連をピアソンの相関分析によって検討した. 統計解析ソフトは, SPSS18.0 for windowsを用いた. 異なる単元で実施された体育授業において共通に認められた結果は, 単元終了後に実施された子ども用一般感情尺度のポジティブ感情得点と授業ごとに実施された顔の絵を用いた感情尺度の高揚感(①r=0.52 P<.05②r=0.49 P<.01), 落ち着き感(①r=0.42 P<.05 ②r=0.34 P<.05)の平均得点と関連していたことであった. また, 身体活動セルフ・エフィカシーは, 高揚感(①r=0.50 P<.05 ②r=0.63 P<.001)において正の関連が認められた. 以上の結果は, 体育授業において児童は毎回, 高揚感と落ち着き感を得ることが, 単元終了後の長期的なポジティブ感情に関連する可能性を示唆している. 身体活動セルフ・エフィカシーは, 運動継続の程度を予測する(園部ら, 2013)ことから, 高揚感を意識した授業展開によって運動継続に向かわせることへの可能性が示唆される.
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Research Products
(2 results)