2013 Fiscal Year Annual Research Report
タグラグビーにおける「協同的な学び」を育む「学び合う集団」の形成について
Project/Area Number |
25908018
|
Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
小杉 栄樹 和歌山大学, 教育学部附属小学校, 教諭
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | タグラグビー / 協同的な学び / ICT活用 |
Research Abstract |
本研究では、体育科学習における「協同的な学び」を育む「授業改善」をテーマに、小学校低学年における「タグラグビー」の実践を通して検証を進めていきたい。 今年度2年生を担任した。クラスの子どもたちは、体育科が好きな子どもたちが多い。ただ、運動の「二極化」の問題も存在する。運動が得意な子も苦手な子も共に楽しく取り組むために、「ルール」「用具・場」「グルーピング」の工夫を行った。「ルール」に関しては、初めてタグラグビーに出合う子どもたちがほぼ全ての中で、「オフサイド」や「ノックオン」など難しいルールは取り入れず、子どもたちの「今持っている力」で楽しめるルールとした。「用具・場」については、コートの大きさを子どもたちの実態に合わせて柔軟にした(本実践では、縦25m×横13m)。ボールも脇に抱えて走りやすく、キャッチもしやすいことを考え、ボールの空気を少し抜いた状態にした。チームは、男女混合異質グループで、人数は4~5人、審判や得点・時計係など、全て子どもたちが行い、「自主運営能力」の育成をめざした。さらに、子どもたち同志の話し合い、かかわり合いがより効果的に進められるよう、ICTを活用した。ビデオやカメラの場合は画面が小さく、大きく見るためにはテレビが必要となり、自分の姿を確認できる場を多く設置できず、場も固定されてしまうので、iPadのビデオ機能を活用することにより、それらの問題を解決した。本校では、無線環境が整っているのでインターネットに接続し、ルールや練習方法、作戦戦術の参考となる資料を自分たちで選択することもできるようにした。子どもたちは、iPadを用意し、試合や練習の様子を確認し、自分のチームや相手チームの長所短所を理解した上で、作戦や戦術を考え、より効果的に試合や練習にいかしていくことができた。体育科学習における「協同的な学び」を育むため、「仲間とのかかわり合い」「運動技術の学び合い」「自主運営能力」「自己解決力」「自己肯定感」という五点において有意義な成果を出すことができ、「タグラグビー」の実践を通し、子どもたちが「学び合う集団」を形成していくことができた。
|