2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25908021
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
妻藤 純子 鳥取大学, 附属学校部, 主幹教諭
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 日韓交流 / 授業実践 / 図画工作科 |
Research Abstract |
<研究目的> 姉妹校である韓国春川教育大学校附設初等学校(以下、春川小)との毎年の文化交流にとどまらず教授法の交流によりその差違を明らかにする。互いの効果的な教授法を検証し、本校の授業改善に役立てると共に教育の国際化という観点から新たな国際交流の一形態になり得ると考え本研究に取り組んだ。 <研究方法> 1韓国美術教育の実際(文献分析、春川協力教員との情報交換) 2授業実践による教授法の交流 ①春川教員の鑑賞授業(韓国の現代作家、水墨画鑑賞)を参観 ②春川6年生児童と図画工作科の一領域「造形遊び」の授業を実施 ③両校それぞれの水墨画鑑賞授業の指導案を交換し授業を実施 <研究成果> 本校では児童の主体性を重んじ、児童が授業を作り上げるという観点で授業を構成する。そのため授業の導入を熟慮すると共に児童自らが思考・判断等できるよう支援・指導を工夫する。一方、春川小では教師主導型の傾向が強い。春川6年生対象の造形遊びの実践では、導入で掲示物を使い児童と教師の言葉のやりとりの中で目標や活動内容等を把握し、その後児童が自由に考え活動する授業展開を行った。しかしこれは春川小児童には未経験の授業であった。授業を交換し実践することで初めて具体的な授業構成・展開等の重点や工夫の違いが見えた。美術鑑賞授業でもその違いは大きい。本校では作品提示後自由に感じたこと等を発言させ、目標に迫る展開をする。児童の感じ方を重視しようとする考え方である。しかし、春川ではまず作品説明(作者、テーマ等の情報)をする。必要な情報がなければ、鑑賞は深まらないという考え方である。鑑賞の主体の捉えが、作品か児童かという違いからくるものであろう。授業中の児童の発言や授業の感想を分析すると共通の感性を持ち得ていることもわかった。これは、文化のルーツを同じにしていることも理由の1つとして挙げられるだろう。情報交換だけでなく、実践することでより深く互いの教授法の特徴やよさを捉えることができた。
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