2013 Fiscal Year Annual Research Report
国語科授業における若手教師の指導力量向上のための実践的思考様式の方策に関する研究
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25908033
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
立石 泰之 糸島市立深江小学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 国語科教師教育 / 国語科授業づくり / 教師の指導力向上 |
Research Abstract |
熟練教師の国語科授業のビデオをもとに、教職経験2年目の教師と熟練教師へのインタビューを繰り返し行った。国語科授業に対する両者の評価を「基盤となる教育観、児童観」「教材の分析・解釈」「指導法構想」「児童への即応」の観点から比較分析した結果、最も大きな違いを見せたのが、教育観における若手教師の「『文章を読む』という認知の仕組みへの理解や児童の発言を組織する授業へのイメージの不足」であった。若手教師が授業観を形成する上で大きな影響を与えたのが初任者研修における指導であったのに対し、熟練教師は多くの授業を見て自らの授業観・児童観を形成していた。 そこで、新たな国語科授業研究会を若手教師らと発足し、指導者の授業観・児童観に重点を置いた授業観察と協議、実践を重ねた結果、若手教師に次のような変容が見られた。 ・教師と児童の1対1の発表型の授業から児童間の対話による授業へ ・児童が表現する「正解」に対する評価から授業における考えの変容の過程を重視した評価へ ・指導者の解釈を言い当てさせる授業から児童の解釈を引き出し話し合う授業へ 以上のことから、国語科授業における若手教師の指導力を向上させるためには、次のような指導が必要なのではないかと考えられる。 ・認知心理学に視点を置いた理解・表現と実践とを結ぶ研修 ・教師の教育観、児童観に視点を置いた授業観察と協議 若手教師の変容と研究の成果については、今年8月に開催の拡大例会で発表する予定である。
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