2013 Fiscal Year Annual Research Report
日本人小学生の英単語認知方略に関する指導の効果について
Project/Area Number |
25908040
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
堀田 誠 山梨大学, 附属小学校, 教員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 小学校英語 / 英単語認知 / 方略 |
Research Abstract |
本研究の目的は, 目本人小学生が英単語の文字情報から意味を理解する際の方略について調査し, その方略に関する指導が英単語認知に及ぼす効果について検証することであった。まず, 日本人小学生(高学年)が英単語の文字情報をどのように認知しているのかを調べるために記述式によるアンケート調査を行った。その結果, 小学生は, 文字で書かれた英単語をローマ字読みする方略を使用していること, 文字で書かれた英単語の形や, 英単語の一部のアルファベットに着目して英単語の意味を理解しようとする方略を使用していることが明白になった。これまで, ローマ字読みによる方略使用と英単語の形に着目する方略使用の可能性が推測されてきたが, 今回の研究による児童の記述によってそれらが明らかになった。次に, 明らかになった方略の指導効果を検証した。まず, 日本人小学生(高学年)に対して, 文科省発行『Hi, Friends』に登場する英単語を含む英単語(20語)に関する事前テスト(音声聞き取りテストと文字読み取りテスト)が実施された。その後, 20語が意味する絵と英単語の発音並びに綴り字が児童に提示された。児童は, 英単語の音声情報(発音)と文字情報(スペリング)を覚えるように2度にわたって指示された。その後, 児童は, カルタゲーム(2回)を通して英単語に慣れ親しむ処遇を受けた。処遇後, 児童に対して事後テストが実施された。その結果, 文字読み取りテストにおいて事前テストから事後テストにかけて有意な得点の上昇が見られた。また, 実験では, 実験参加者を2群に分け, 一つの群には方略を指導し(実験群), もう一つには方略を指導しなかった(統制群)。文字読み取りテストにおける事後テスト結果を両群で比較したところ, 実験群の得点は統制群より高かったものの, 両群に統計的な有意差は見られなかった。このことから, 方略の指導方法によっては指導の効果が現れない場合があることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)