2013 Fiscal Year Annual Research Report
理解可能な英語の本を用いた多読と高校生のWriting能力との相関研究
Project/Area Number |
25908043
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
松井 孝彦 愛知教育大学, 附属高等学校, 教員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 英語教育 / 多読 / Writing |
Research Abstract |
第二言語における多読とWriting能力の関係について検証された研究は多くなく, 授業内に多読に取り組んだ研究, 日本の中高生を対象とした研究はさらに少ない。また, 先行研究では, ほぼすべてにおいてエッセイや説明文をWritingの課題として設定し, 英文の正確さと総語数の量等を比較, 検討しており, 総じて若い学習者ほど伸びが見られることが報告されていた。能力向上の原因としては, 多読により多量の言語形式が学習者に刺激として与えられたからであろうと考察されていた。 本研究では, 以下の2点を明らかにすることを目的とした。 A : 授業内に短時間で行う継続的な多読活動が, 日本人高校生の説明文におけるWriting能力の向上に貢献する B : Aの多読活動が, 1文レベルのWriting速度を向上させる 授業内に短時間で行う多読活動であれば通常の授業への影響は最小限に抑えられると考えた。また, BはReadingにおける読解速度や語彙処理速度の向上に対応する何かが, Writingでも見られるかどうかについて検討するものであった。 週2回, 授業の始めの10分間で, コミュニケーション英語Iを受講する高校1年生を対象に多読活動を行った。生徒には, 外国人英語学習者向けに簡易化された英語の本や英語を母語とする幼児・少年を対象とした本約1000冊を, 興味関心に従い自由に読ませた。11ヶ月に及ぶ多読実践の前後で検査を行い, 結果を分析したところ, Bについて向上に有意な差は認められなかった。しかし, Aの説明文において, 容易な本を多く読んだ生徒の「総文数」「総語数」の向上に有意な差が, また, 難易度が高い本を多く読んだ生徒の, アウトプットの力の成長を示すと言われる「1 T-unitの平均語数」の向上に有意な傾向が, それぞれ見られた。ここから, 継続的な授業内多読は, 生徒が読んだ英文に応じて向上する能力に違いがあるのではないかと推察する。
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Research Products
(1 results)