2013 Fiscal Year Annual Research Report
中学校における「Can-Doリスト」作成のための実践的な調査及び研究
Project/Area Number |
25908060
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Research Institution | 仙台市教育局学校教育部教育指導課 |
Principal Investigator |
齋藤 嘉則 仙台市教育局学校教育部教育指導課, 課長
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 「Can-Doリスト」 / 能力記述文 / 教科書 |
Research Abstract |
本研究は、中学校英語科において検定教科書教材を活用しつつ「Can-Doリスト」作成の具体を明らかにすることを目的としたものである。まず、理論的な研究では、「ヨーロッパ共通言語参照枠」にある能力記述文は、参照する基準であるが、文部科学省が各学校に作成を促している能力記述文、そして、その集合体である「Can-Doリスト」は、到達目標を記述することを求めているものであり、その目的が微妙に異なることが分かった。中学校においては、従前から4つの観点による「観点別学習状況の評価」、すなわち目標に準拠した評価が行われてきたところであるが、その目標設定が分かりにくいところもあり、さらに具体の目標を明示して授業改善に生かすことが求められた。しかし、次に、実践的な調査と研究では、主たる教材である検定教科書を分析するも、それらは、学習指導要領の目標及びその内容に沿って編修されたものであり、教科書を活用して学習した結果が、必ずしも所謂「Can-Doリスト」に在る様な「(何かが)できる」という表現で学習者の学習成果を全て記述することができるとは限らないことが分かった。例えば、「初対面のあいさつ」や「今日の予定」の場面において、その場においては、「初対面の人とあいさつを交わすことができる」とか、「今日の予定について説明できる」とかの様に、学習した英語表現を活用することができる、という記述は可能であったものの、それら能力記述文の内容が、その他の如何なる場面、状況においても可能であるか、といった場合に、必ずしもそれらは可能ではなかった。実際上、ある限定された教科書に設定された場面のみについて記述可能であるのではないか、ということが明らかにされた。さらに、その能力記述文の内容が、「できる」か「できない」かの判断基準をどこに求めるのか、という際に、量的、質的にどの様に処理すべきか、意見が分かれたところで有り、言語使用の特質から、今後さらに検討が必要であるとの結論に至った。
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Research Products
(1 results)