2013 Fiscal Year Annual Research Report
中学2年生理科「電流がつくる磁界」視聴覚教材の開発
Project/Area Number |
25909001
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Research Institution | 豊川市立東部中学校 |
Principal Investigator |
天野 卓朗 豊川市立東部中学校, 中学校教諭
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 中学校2年生 / 理科 / 電流がつくる磁界 |
Research Abstract |
学習指導要領は、中学校2年生において「電流がつくる磁界」を観察することになっていて、教科書に実験が紹介されています。しかし、その多くが観察に適したコイルをわざわざ作成したもので、生徒の日常生活から大きく乖離していることは、いささか残念です。 豊川市を東西に走る名鉄豊川線は名古屋方面とのパイプとして市民の重要な足となっています。本研究では生徒にとって身近なこの電車を教材化しようというものです。パンタグラフのある車両では方位磁針は必ずしも磁北を示しません。特に電車の加速時には大きくずれることが観察できます。これは架線から供給される直流電流がつくる磁界を観察していることになります。 公共の電車内での実験ですので、プライバシーに留意し、実験装置(市販のキャリーケース)内で撮影しました。また、現在地が分かるように、タブレット端末(iPad mini)のナビゲーションアプリ(Map Fan+)を使いました。実験装置の底にiPad miniを置き、その上に方位磁針を乗せ、上部からカメラを下向きに設置します。実験中はキャリーケース内の様子を見ることができませんので、モニター用に予備の方位磁針を実験箱の上部に貼りつけてあります。実験では電車の加速時とモーター音のピッチが切り替わるとき、方位磁針が大きく向きを変えました。 授業では、まず実験装置を見せ、次に撮影した動画を紹介しました。方位磁針が動くのは、電流計の仕組みと原理がよく似ています。少し大げさかもしれませんが、授業では「電車の電流計そのものだ」と解説しました。「電車に乗るとき方位磁針をもっていこう」とい話す生徒もおり、この現象に対する興味・関心を引き出すことに成功しました。
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