2013 Fiscal Year Annual Research Report
協同的グラフ作成による実験データのバラツキの理解と誤概念の解消に関する研究
Project/Area Number |
25909007
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Research Institution | 上越市立清里小学校 |
Principal Investigator |
植木 幸広 上越市立清里小学校, 小学校教員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 理論負荷性 / 数値の比較 / グラフ |
Research Abstract |
○研究目的 振り子の学習において, 自分の予想や仮説に引きずられて正しい実験数値を判断できないことが報告されている。以前から, その原因の1つとして誤概念を受けた理論負荷性が指摘されている。2つ目の原因として, 数値処理の問題が挙げられる。これまで筆者らは, 平均と誤差の認識に着目し, 数値の処理が数値比較の判断に与える影響を調査し, 各条件の複数の数値を直接比べた時は, 平均して2つの値を比べた時よりも, 誤差を認識しやすいことを明らかにしてきた。近年の教科書は, グラフによる比較を併用する例が見られるが, グラフによる比較の効果は, 十分に明らかになっていない。また, 近年のCSCLの研究から, 実験データを共有し帰納的に考察することの重要性が示唆されている。 上記の背景を受け, 協同的グラフ作成による実験データのバラツキの理解と誤概念の解消に関する研究を行った。 ○研究方法 振り子の学習を対象に, 実験で得られた数値やグラフの全てのデータを実験室内で共有できる環境を用意した。この環境の中で, データのバラツキをどのように理解するのか, また理論負荷性との関連で誤概念はどのように変容するのかを検討した。 ○研究成果 ・個人でグラフをかいた時, バラツキ(誤差)の認識は促進するとは言えない。 ・個人のグラフをかいた後, 複合グラフをかくことはバラツキ(誤差)の認識を促進するとは言えない ・1度目の考察で理論への思い込みが強化されるため, 2度目の考察ではさらに視点の狭まった考察になる可能性がある。 ・読み取りのスキルが不十分なままで, ドットグラフを扱っても, 正しい考察ができない可能性がある ・3つの条件のグラフを同時に考察することで, バラツキ(誤差)の認識を促進する可能性がある。
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Research Products
(1 results)