Research Abstract |
1. 研究の目的 本研究は平成21年度から取り組みを始め, 具体的な模型, 数学が活用されている身近な題材を用いて, 児童・生徒の空間を把握する解析力・思考力の育成を図る教材の開発と, 授業実践による教材と指導方法の検証を目的として研究を行なってきた。これまでの研究成果を基にして, 「空間図形」のカリキュラムへの提案を考えた, 学習内容の研究と授業実践による検証を行なっていくことを研究目的とする。 2. 研究の内容と成果 空間思考力を育成するためのカリキュラムの考察と, 2学年における提案「(1)1年生で観察や操作等によって直観的に捉えた空間図形の性質が, 演繹的な考え方で説明できることへの理解を深める」「(2)空間図形と平面図形が, 相互に関連していることへの理解を図る」に基づく実践から, 次の結論を得ることができた。 2年生の図形の性質及び証明の学習後に, 1年生で直観的に捉えていた空間図形の性質を演繹的に証明することによって, 生徒は空間図形の性質への理解を深めることができ, さらに発展的に考えることができた。また, 演繹的な証明が, 空間図形の性質を理解する方法として, 有効であるという意識を持つことができた。さらに, 空間図形と平面図形の関係を考える必要性が起こる活動を, 2年生で行うことで, 空間図形と平面図形の相互の関係を捉える見方や考え方を段階的に育てることができることがわかった。 今後は, さらに3年生における実践を通して, 空間思考力の育成に向けた学習内容の研究を進めて行きたい。 研究内容と授業実践の詳細は, 下記URLに掲載している。 『数学の授業実践―小野田啓子―』ホームページ http://www.u-gakugei.ac.jp/~onodakk/math/index.htm [1]小野田啓子 : 「空間思考力の育成に向けた中学2年生における提案と実践」, 東京学芸大学附属竹早中学紀要第51号, 2013
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