2013 Fiscal Year Annual Research Report
高等学校数学科における物理との関連付けを図った統計教材の開発
Project/Area Number |
25909011
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Research Institution | 神奈川県立百合丘高等学校 |
Principal Investigator |
小原 美枝 神奈川県教育委員会, 教育局指導部高校教育企画課入学者選抜・定員グループ, 主査
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 数学 / 物理 / 統計教材 |
Research Abstract |
改訂された高等学校学習指導要領において, 数学では, 数学Iに統計の考え方を理解し, それを用いてデータを整理・分析し傾向を把握する学習内容が加わった。また, 理科では, 物理基礎で実験を通してデータの整理・分析や法則の導出, 有効数字や近似の考え方について学ぶこととなり, 統計領域において数学と物理は互いに関わりをもつ教科として意義深い。そこで, 本研究は統計領域に焦点をあて, 高等学校数学科の教材として, 数学と物理を関連付けた統計教材を開発することを目的とした。 このため, まず, 数学Iと物理基礎において, 統計領域に関して, 両科目の教育課程上の指導内容を比較し, 数学Iの単元「データの分析」において, 物理との関連付けを図る単元計画の作成を試みた。教材については, 振り子の周期に関するものと位置エネルギーに関するものの2つを作成した。振り子の周期に関する実験については, 重りの重さや糸の長さを変えて単位時間当たりの振幅数を計測するため, 複数回の実験を取り入た。位置エネルギーに関する実験については, ビー玉を転がす高さやビー玉の重さを変え, 衝突する木片の飛距離を測定するが, 同時にビースピ(簡易速度測定器)を使用して, 速度についても計測した。 実践授業は高校1年生の3クラスを対象に行った。授業時間は, 質問紙調査に回答する時間を含め, 振り子の周期に関するものは2時間, 位置エネルギーに関するものは3時間で行った。事前・事後調査の結果, 調査対象とした生徒は, 物理との開連付けを図った統計に関する授業を行うことで, 数学や物理に対する興味・関心や, 統計的な考え方の有用性についての認識が高まることが分かり, 教材の有効姓が示唆された。
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