2013 Fiscal Year Annual Research Report
真実性に焦点をあてた数学的な表現の主体的な活用を促す指導の研究
Project/Area Number |
25909025
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Research Institution | 立教新座中学校・高等学校 |
Principal Investigator |
清水 邦彦 学校法人立教学院立教新座中学校・高等学校, 教員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 真実性 / 数学的な表現 / 主体性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、理論と実践の往還により、数学的表現力の育成に関わる真実性について明らかにし、真実性を感じさせることで、数学的な表現の主体的な活用を促す指導を開発することである。 まず、真実性について、菊池氏が参考にした実在性と人間性から学術的な検討した。その結果、真実性は学習者の存在を顕在化させるもので、新たな価値を生み出し、他者の存在や学びの文脈等の影響を受け、その背後に介在する暗黙性が数学的な活動を動的にすると提案した。 次に、先に行った学術的な検討をもとに、生徒のもつ問いを鍵として、真実性を感じさせることで、数学的な表現の主体的な活用を促す指導を具現化し、高校1年生に対して2次関数の最大値・最小値の授業で実践した。授業実践では、かくことの活用を通して生徒のもつ問いを表面化させ、根拠を明らかにし, 真実性を感じさせ, かくことを主体的にする。その指導は、相互教授法を応用したもので、指導の過程を3段階に分け、段階ごとに指導を変え、学び合いとかくことの学びを上手く組み合わせて行われた。 生徒は、学び合いを通して、かき方やかくことの有効性を体験し、次第に一人でもかけるようになっていた。その際、なぜそうなるのかという発見の中に、驚き、感動、納得等、生徒の心が揺さぶられ、真実性を感じている様子があった。生徒は、多様な数学的な表現を主体的に活用していた。この指導は1ヶ月間実施されたが、アンケート調査と実際に生徒のかいたものによって、主体的にかくことの情緒をもたせることに成功し、よい変容を促すことができた。 授業実践を振り返り、生徒が真実性を感じ、数学的な表現を主体的に活用する過程で、指導と教材が発する暗黙的なメッセージを、生徒が洗い出し、暴き出していた。よって、指導とともに、教材に、真実性を感じさせ、主体的にする暗黙的なメッセージを埋め込むことが、生徒の数学的な表現の主体的な活用に有効である。
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Research Products
(10 results)