2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25909028
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
筒井 和幸 大阪教育大学, 附属高等学校池田校舎, 教諭
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 現代物理学 / 高校物理 / 知的能動性 |
Research Abstract |
〔研究目的〕 現代物理学を高校生に印象深く指導することで, 理系分野に進む学生の知的好奇心や知的能動性の芽を育てることが期待できる。そこで, 新課程で現代物理学を学ぶ高校生と, 自身が高校時代に現代物理を学ばなかった若手教員のために, 次の①②の特色を持っ実験用テキストを開発することを研究目的とする。 ①誰でも円滑に実験できるよう実験方法や学習指導上の要点等がまとめられている。 ②実験の教育上の意義が整理されており、指導書としても活用できる。 〔研究方法〕 高校生や指導経験のない若手教員の利用を念頭に, 次のような方法で研究を行った。 ①学習効果が高く, 安全に実施できる実験項目・実験方法を調査・研究する。 ②実験を行う上での留意点等が明確にわかるよう, 補助的な実験器具や代替品, 実験室の環境(照明など)などについても丁寧に調査する。 ③高校生や大学生, 指導経験のない若手教員にいくつかの実験を体験してもらい, 改善点を検討する。 〔研究成果〕 最終的に次の10項目について, 予定した内容をまとめることができた。 ・陰極線の性質の観察 ・電子の比電荷の測定 ・ミリカンの実験(電気素量の測定) ・光電効果の観察 ・プランク定数の測定(2種) ・X線の発生 ・電子線の波長測定 ・原子スペクトルの観察(波長測定) ・フランク・ヘルツの実験 ・霧箱(2種) 全て物理としてだけでなく科学史的にも重要な内容で, 実験を行った生徒・学生からは最先端の物理学研究を垣間見たことの感動が感想として聞かれた。また, 測定の原理や実験装置の構造を理解するためには, 既習の物理を総合的に活用する必要があり, 高校物理のまとめとして大変有意義な学習の機会となることが確認できた。
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