2013 Fiscal Year Annual Research Report
園児及び小学校低学年の児童における立体の念頭操作に関する研究
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25909047
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
渡辺 敏 お茶の水女子大学, 附属小学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 念頭操作 / 空間認識 / 展開図 |
Research Abstract |
本研究の目的は幼児(6歳)と児童(7歳)の立方体を作る様子と、展開図を念頭で操作する様子を観察し、平面と立体の関係を子どもがどのように理解していくのかを発達の傾向としてあきらかにすることである。 そのため年長児童29名と小学校1年生児童15名にポリドロンを用いた立方体の作成と、展開図の念頭操作の調査を行った。立方体の作成に関しては2つの調査を行った。1つはすべて同じ色の面の立方体を見せ、それと同じ立方体を作ること。2つ目は向かい合う面が同じ色の立方体を見せ同じ立方体をつくること。作成方法は幼児、児童ともに5種類の取り組みがあった。この5種類は面が見えるのと同じように作成する方法と面を展開図に並べ組み立てる方法に分類できた。これは2種類の立方体ともに同じ結果であった。面を展開図に並べ組み立てる割合は幼児43%から児童57%へと増加していた。このことから幼児から児童に発達するにしたがって、見たままを作成する発達段階から面を展開図に表わし作成する発達段階に変わっていくという知見を得た。 2つ目は6種類の展開図を見て念頭で組み立てられるのかの調査である。十字型に並べた展開図においては幼児54.5%、児童は84.7%と高い正答率であったが他の5種類の展開図については3割に満たない正答率であった。個別にみると6問中3問に正答した幼児は調査問題1の立方体を組み立てる問題では展開図にして組み立てていた。6問中4問正解した1名と3問に正解した2名の児童も調査問題1では展開図から立方体を作成していた。これらの結果から幼児、児童は立方体を作るときに展開図から組み立てることができるようになるとともに、展開図が立方体になるかどうかの念頭操作の力もついてくるという知見を得た。
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Research Products
(2 results)