2013 Fiscal Year Annual Research Report
茶で広がる科学の世界-科学を身近に体験できる教育プログラムの開発
Project/Area Number |
25909059
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
西 麻耶子 国立大学法人 熊本大学, 工学部, 技術系職員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 茶 / 科学教育 / 地域貢献 |
Research Abstract |
初・中等教育での実験は、科学的興味を引き出す上で重要です。しかし、時間がかかる実験は実施しにくく、科学を身近に感じる機会が少なくなっています。そこで本研究では、中学生を対象として、古くから親しまれている、身近な「茶」をテーマとし、できる限り身近なものを使って簡単な実験を行いました。一見、科学とは関わりのない嗜好品の茶ですが、予防医学の観点から効能が重視されているなど、科学的な側面も持ちます。日常にも科学が潜んでおり、身近に科学があるということを体感できる点で、本研究に最適な題材と考えています。 実験内容は、以下の通りです。 ・緑茶は抽出温度で抽出成分が変化します。抽出温度の違い(60℃、100℃)による色、香り、味などの変化を確認しました。 ・カテキンを含む又は含まない培地で大腸菌を培養し、前者では大腸菌が生育せず、カテキンに殺菌作用があることを確認しました。 ・緑茶中のカフェインの昇華能を利用して、緑茶を炒り、カフェインを抽出しました。 ・湯温の差によるカテキンやカフェインの抽出量の差を質量分析計を用いて確認しました。 ・緑茶中にビタミンCが存在することを、うがい薬を使って視覚的に確認しました。 本研究では、科学を身近に感じられるように、できる限り、結果を目に見える形で示しました。 お茶を飲むという、ごく日常的なところから入り、身近な道具を使った実験を行ったことで、日常にも科学が隠れていることを体感させることができたように思います。科学への入口を低くすることで、科学に対する壁を払拭し、興味を刺激する良い機会になっただろうと思います。今後もこのような活動を続けるため、本研究の発展型、もしくは、より良い内容を模索し続けたいと考えています。
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Research Products
(1 results)