Research Abstract |
中学校技術家庭科(技術分野)「プログラムによる計測・制御」の内容として, 身近な製品に使われている計測・制御の仕組みを一人ひとりが再現する授業実践を行った。 現行の学習指導要領では, すべての内容で技術の適切な評価・活用について考えることが求められている。「プログラムによる計測・制御」では, 制御技術の基本的な仕組みについて学ぶとともに評価の視点を身につけ, それを表現できる教材や授業展開が必要である。一方で, 学習内容の高度化を避けるため, 生徒の活動が画一化されてしまうことや, 教具の製作, 管理が難しい面もあり, 検討が必要な内容でもある。 昨年度より, 「プログラムによる計測・制御」の内容として, フローチャートを用いた言語表現活動を中心とした教材開発を行ってきた。この内容をふまえ, 本研究では, 技術を評価する視点を養うために有効な教具について検討し, 授業実践を行った。具体的には, LEDやモータカーなど決められたハードウェアを用いて, 基本的な制御の仕組みについて学習した後, 複数の入出力装置(温度センサ, 光センサ, LED, ブザー等)を生徒一人ひとりが選択して, 身近な制御機器を再現した。 生徒はエアコンの温度調節や, まわりの明るさに応じて点灯する省エネライトなど, 様々なプログラムを作成し, 身近な制御技術を再現することができた。さらに一部の生徒は, 技術的な評価の視点をもち, よりよい制御の方法を工夫することができた。 また, 生徒に対してアンケートを実施し, イメージマップによる考察を行った。生徒の制御に関するイメージは広がっており, 制御の仕組みや効率のよい制御についての考え方を広げることができたと考える。本研究の成果は, 日本産業技術教育学会の全国大会で発表し, 意見をいただいた。現在は, 生徒一人ひとりが工夫し, 製作品として持ち帰ることのできる教材について検討している。
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