2013 Fiscal Year Annual Research Report
CSアンプラグドのアルゴリズム学習法を支援する自作教材の改良
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25910013
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Research Institution | 神奈川県立秦野総合高等学校 |
Principal Investigator |
間辺 広樹 神奈川県立柏陽高等学校, 教論
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 情報科学教育 / アルゴリズム / 特別支援教育 |
Research Abstract |
本研究は、コンピュータサイエンスアンプラグド学習法(以下、CSアンプラグドと記す)について、学習効果の向上と学習対象の拡大を目的に、学習法の改良を試みたものである。csアンプラグドはデータに見立てたカード教具などを動かしながらコンピュータの仕組みを体験的に学ぶ学習法である。ACM(米国計算機学会)のモデルカリキュラムの中でも推奨された優れた学習法である。しかし、CSアンプラグドは「高等学校の授業」や「視覚障害者の授業」のために開発された学習法ではないため、これらの授業で使うためには学習者の年齢や身体性などの特性に配慮が必要となる。そこで、どのような工夫を施すことが有効となるかを、「高等学校の授業」については内容理解の面から、「視覚障害者の授業」については実現性の面から調査した。 まず、「高等学校の授業」については、カードを使うオリジナルのCSアンプラグドを発展させた上で、本研究で開発したソフトウェア教具を組み合わせた授業をすることによって、コンピュータの計算原理を教える授業に効果があることを明らかにした。その論文は学術的価値を認められ、日本情報科教育学会(JAEIS)論文誌にジャーナル論文として採録された。 また、「視覚障害者の授業」については、通常は視覚情報を用いて行うアルゴリズムの学習法を、教具に工夫を持たせることで視覚に頼らず聴覚と触覚だけで実行できる環境を開発した。この環境を用いて、評価実験を行ったところ、重度の視覚障害があっても、CSアンプラグドのアルゴリズム学習が可能であることを明らかにした。この研究内容は、情報処理学会(IPSJ)のCEI21研究会(コンピュータと教育研究会)で口頭発表し、他の参加者から教具の改善点等についての多くの意見やアドバイスをもらった。 今後は、本研究を通して得た知見をいかし、携帯端末の利用やAR(拡張現実)など新たな技術の利用も視野に入れながら、授業法と教具の開発・改善を行っていきたいと考えている。
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Research Products
(3 results)