2013 Fiscal Year Annual Research Report
小学校の算数と理科授業におけるタブレットPC活用の対話的な学びに与える影響
Project/Area Number |
25910014
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Research Institution | 揖斐小学校 |
Principal Investigator |
横山 隆光 揖斐小学校, 教員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | タブレットPC / 授業分析 / 発話 |
Research Abstract |
1人1台や2人で1台のタブレットPCを活用した授業では, 自然に学習者同士の相談が始まり, 近くの学習者の画面を覗きこんでいる行動等が確認され, 画面を回して見せ合うことで話し合いが深まることが分かっている しかし, タブレットPCの台数や活用方法を変えても同様のことが起こるのかは明らかになっていない. そこで, 学習者の行動と発話を記録し, タブレットPCの台数や活用方法との関係を調べた. 5年生と6年生の計16時間の理科と算数の実証授業から次のことが明らかになった. ・タブレットPC選択可の授業の学習者の行動は, タブレットPCを使わない授業やタブレットPCを全員が使う援業に比べて, タブレットPCを活用する学習者の「N : 覗き込む」「M : 相談する」時間が有意に長い ・班に1台(4人に1台)の観察記録用タブレットPCで役割分担をして観察実験を行うと, タブレットPC選択可の授業とタブレットPCを全員が使う授業の学習者の行動は, 役割分担が優先されて, 「N : 覗き込む」時間の学習者間のばらつきが大きい. ・タブレットPC選択可の授業と, タブレットPCを全員が使う授業の発話は, タブレットPCを使わない授業に比べて, 交流的応答(el考察)の時間が有意に長い. ・1人1台のタブレットPCで, ドリル教材を使った学習では、進度の違いから、「N : 覗き込む」がほとんど起こらない. これらのことから, タブレットPC画面は隣の学習者から覗きやすいことや覗かれる学習者が画面を使って説明したり質問したりし易いことから, 見せ合うことが学習者の行動に影響を与えていることが示唆される. しかし, 上記のことは5・6年生の各1学級の児童を対象にした理科と算数での実践から得られたことであるため, 学年と教科を広げて, 同様の傾向がみられるのかを調べる必要がある.
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Research Products
(2 results)