2013 Fiscal Year Annual Research Report
授業における思考活動と言語活動を促すための数学eラーニングの活用
Project/Area Number |
25910015
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
吉田 賢史 早稲田大学, 高等学院, 高等学校教員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 思考特性 / eラーニング / Flipped Learning |
Research Abstract |
平成24年8月に公表された平成24年度全国学力学習状況調査結果における数学指導改善のポイント「事柄が成り立つ理由を, 数学的な表現を用いて的確に説明する活動の充実」に関して, 次の2つに着目し, 授業を展開した. 1. 数学的な表現を用いて的確に説明する活動を実現するためのICT環境 2. ICT学習端末の活用により的確に説明する活動はどのように促進されるか である. 1. における「説明する活動」を展開する上で, 生徒が演習問題などに関して不理解部分を理解し, 教員はその問題に対する生徒の解法理解度を予め把握しておく必要がある. その解法理解度を測定するために簡単な問題演習を数学eラーニングシステム上で行った. 演習以外は, web電子テキストやネット動画など, 思考特性を考慮した教材を用意した. 一方, 対面授業におけるICT環境は, 教員用の携帯端末とPC各1台とプロジェクタである. 2. における活動は, 教科書に掲載された問題や教員が作成した問題の解答, 数学eラーニングの学習履歴を考慮し, 学習者同士の解法を共有することから始める. 共有の方法は, ペアワークと生徒解答のプロジェクタによる共有の2種類である. ペアワークは3~4分に区切り, その時間を利用し特徴的な解答を携帯情報端末で撮影しておく. 撮影した解答をもとに, 良い点や改善するポイントを生徒全員でディスカッションを中心に共有した. 解答の共有においては, 記述方法に生徒個々の思考特性が表れる. そのため, 「数学的表現を用いた的確な説明」の共有において学習者が捉える「的確さ」の差異が顕在化した. 以上のように教え手の思考特性を板書しそれを写す授業とは異なった, 学習者一人ひとりの思考特性の違いと解法の差異を顕在化させるディスカッションを中心とした授業実践により, 前年度の旧来型授業では苦手と思い込んでいた生徒においても教科に関して好意性をもつ生徒も出現し一定の成果を得た.
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Research Products
(3 results)