Research Abstract |
本研究では, これまでの筆者らの研究成果(ブレンドラーニングによる, 実習時間の有効活用やふりかえり活動の充実)を発展させ, 教員養成系実習科目における反転授業を活用するための知見を得ることを目的とし実践を試みた。具体的には, 「木材加工実習」, 「プレゼンテーション演習II」の2科目を対象とし, 正規の学習活動を充実させる為に反転授業形式で授業設計し, 実践を行った。前者は実習科目であり, 後者は演習科目である。実習科目である「木材加工実習」では, 5分程度の短い動画を中心としたコンテンツとし, 演習科目である「プレゼンテーション演習II」では, インストラクショナルデザインの知見から動画に拘らず, 今までのパワーポイントを主体とした資料を事前活動用のコンテンツとし, 事前活動(eラーニング)+対面学習(実習・演習)+事後の振り返り活動を1単位とした授業デザインとした。これにより, 学生は, 自己のペースでかつ必要に応じて繰り返し学習することができ, 自己調整学習を促すと考えられる。加えて, 作成した教材は事後学習の振り返りや, 教育実習, 教職実践演習, カリキュラム外での活動(例えば, 地域貢献を日的とした学生主体事業によるものづくり活動)などで活用でき, 効率的かつ科目間連携に資する。実践の結果, 学生からは, (提供した教材の)分量, 内容ともに好意的な反応が得られた。しかし, 事前学習の履修率にばらつきが見られた。そこで, 反転授業にジグソー法を組み合わせた授業デザインを後期科目において実施するとともに, メール等による課題遂行への働きかけを行った。結果, 履修率の問題は解決した。しかし, 一方で, 反転授業教材の内容面での検討が必要な事, 事前学習未履修者への対応だけでなく, 対面授業欠席者への対応の検討が必要な事などの課題が明らかとなった。
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