2013 Fiscal Year Annual Research Report
読み・書きに困難を示す子どもへの音声を用いた支援方法の開発
Project/Area Number |
25911003
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Research Institution | 安来市立赤江小学校 |
Principal Investigator |
井上 賞子 安来市立赤江小学校, 教員
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 特別支援教育 / ICTの活用 / 読み・書きの困難 |
Research Abstract |
研究目的 : 特別な支援を必要としている子ども達の特性を踏まえ、それぞれの学びやすさに沿って、重要な学習事項である「読み・書き」について、従来の視覚からのアプローチに加えて音声を用いた支援の在り方を開発・提案することで、「読み・書き」に困難のある子ども達への支援の手だてを広げていきたいと考えた。 2. 研究方法 : 読み・書きに困難を示している子どもを対象に、以下の手順で取り組みを進めた。①事前の状況を記録、分析する。②そうした困難が起こっている背景についての仮説を立てる。③個別の特性に応じた教材や支援方法を開発する。④学習場面の中で定着に向けての取り組みを繰り返す。⑤①の状況との比較をして、効果を検証する。また、どの場面においても、タブレットの積極的な活用を試みた。 3. 研究成果 : 対象となる子ども達の姿から、「内容を理解ができる力があっても、読みの困難から情報に適切にアクセスできていないのではないか」「わかっている事柄に対しても、書きの困難から適切に出力できずにいるのではないか」という仮説を立てて指導方法の開発を試みた。 ・「音声つきの教材」(Daisyなど)「課題を画像にとって音声をはりつけて教材化したもの」「紙媒体に音声情報の入ったシールをはりつけて教材化したもの」を子どもの状況や学習場面に合わせて組合わせながら支援を行った。また、音声入力を活用しての漢字調べや作文指導にも取り組み、効果が見られた。 ・タブレットを用いることで音の手だてをつけた教材の作製が容易にできるため、日常的な活用につながった。 ・対象となった子ども達は音と文字の一致に困難を抱えているが、「音の支援」があることで目で追っている情報を正確に把握することができ、学習への参加がスムーズになった。 ・やり切れる見通しを持ちながら「読み・書き」を繰り返す中で、ICTの支援がない場面でも、読んだり書いたりするスキルが上がってきており、困難の背景に応じた学習機会の保障という点でも効果的だった。 ・従来の方法では0点に近かったテストが、音声読み上げを使うことで100点近い点数をとることができる子もおり、評価の在り方についても考え直す必要性を痛感する結果となった。
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Research Products
(1 results)